幼児という早い時期から英語教育を始める利点はどこにあるのでしょうか。
母語でも外国語でも、言語習得には長い時間がかかります。その時間は2500~4000時間とも言われています。
「日本にいる限り英語は必要ないんだ!」と割り切りたくなるような時間の長さです。
私は、幼児教育の利点は、子供自身が将来的に興味をもち深く学びたいと考えた分野に、より多くの時間を割けることだと考えています。
はむ先生
はじめまして。大学で英語を教えている「はむ先生」と申します。
教歴は15年ほど。現在は仕事をしつつ、4歳の息子の相手をする、そんな毎日を過ごしています。
ママの視点だけでなく、プロの視点から、お子さんの英語教育に役立つ記事を書いていきたいと思います。
個別相談も行っています。どうぞお気軽にご利用下さい!
2020年より小学校3年生から正式に英語の授業が導入され、大学入試でも2021年度より形式が変わり4技能(聞く、話す、読む、書く)が求められるようになりました。
日本社会では英語が重要視されていることは否めないでしょう。
幼児期から英語学習を始めることによって、自分の進む道を決めなくてはいけない高校生の時期に、自分の専門分野としたい勉強に打ち込むことができます。
私は、早い時期から英語を始める利点は、本人の努力次第ではありますが、早く目標に到達できる可能性があることだと考えています。
では、幼児期に英語学習を始めた場合、いつ頃までに、どの程度の英語力を目指し、身に付ければ良いのでしょうか。
この記事では、
船津 洋著『10万組の親子が学んだ 子どもの英語「超効率」勉強法』(かんき出版)より、
- 目指したい英語力の目標とその時期
について書かれている一部を抜粋、その内容をまとめていきたいと思います。

また、私が研究の専門分野としている
- 英語学習動機づけ
- 英語教授法
- 学習者心理
の視点から、記事を追加、おすすめ教材の紹介をしていきます。
参考にしていただけたら嬉しいです!
幼児期からの子供の英語教育で目指したい英語力の目標は?
理想とする英語習得レベルとその時期
- 幼児期までに英語を聞いても読んでも分かる
- 小学生までに英検準2級取得
- 高校1年生までに英検準1級取得
これは大学進学を前提に逆算した、理想の英語習得レベルとその時期です。
以下、それぞれの時期に目指したい目標について詳しく書いていきます。
幼児期には【英語を聞いても・読んでも分かること】が目標
幼児期の英語習得レベルの目標基準
- 英語を聞いて分かるようになること
- その後、英語を読んでも分かるようになること
幼児期の目標は、英語を聞いて理解できるようになり、読んでも理解できるようになることです。
幼児期といっても、開始年齢が1歳の場合と3歳の場合では、状況が異なると思います。
しかし、開始年齢がいくつでも、目標までの過程は大きく変わりません。
3年くらいかけて英語を聞いて理解できるように耳を育て、その後は英語を読める読解力を育て、長期目線で総合的な英語力を高めていきます。
小学生のうちに【英検準2級】が英語力の目標
具体的な目安として、小学生のうちに英検準2級を目指します。
もしも中学受験を考えられているなら、小学3年生までに取得していることが理想です。そうでなければ小学校6年生までに取得していれば問題ありません。
英検5級、4級はリスニング力があり、少し読むことができれば、難易度も高くないため、なんとなく受かってしまうということもあり得ます。
英検3級と英検準2級の間にも実力のギャップがあり、英検準2級のレベルからようやく本格的な英語力と言えます。
英検準2級はリスニング力が高いだけでは合格できず、深いところまで文章を読み込めなければ回答できない問題が設定されている為です。
「読解力が必要な」英検準2級を小学生で取得したい理由
- 幼い頃に習得した言葉は放っておくと全て忘れるから
幼児期に英語を理解できるようになることは、他の年齢に比べると非常に簡単です。現に、おうち英語で英語力を身につけている子供たちも多くみられるでしょう。
一方、年齢の幼いうちに身につける英語力は、しばらく放っておくと全て忘れてしまう恐れがあるのです。
最も効果的な英語を定着させる方法は「読解力」を身に付けることです。
聞いて理解できていた言葉が文字言語でも理解できるようになると、それが頭の中でしっかりと整理整頓されて、消えない英語力となることが分かっています。
はむ先生
英検準2級を持っていることが、英語力の読解力を持っていることを意味しているのですね。
高校1年生で【英検準1級】が最終目標
高校生にもなると、大学受験も控え、将来の方向性を定める時期となります。
高校1年生で英検準1級を目指す理由は、最後の2年間、将来自分の専門としたい分野の勉強に取り組むことができるからです。
大学受験では、4技能(話す、聞く、読む、書く)一定の英語力が求められます。
高校1年生で英検準1級を持っていれば、英語の勉強はそこそこに、他の科目の勉強を熱心に取り組んでも問題はないだろうと思える英語力です。
幼児期~小学生|子供の英語教育におすすめの学習法
理想の目標を目指すために、幼児期の英語教育の進め方はどのようにすれば良いのでしょうか。
- 聞いて理解できるようにする
- 読めるようにする
というのが、重要な2段階だと思います。
以下、英語を身に付けるための条件とその具体的な方法を書いていきます。
英語を身に付けるために必要な子供の学習環境
はむ先生
第二言語習得は私の専門分野でもあるので、人はどのように外国語(今回の場合は英語)を学んでいくのか、簡単に説明したいと思います。
英語を身に付けるための条件
- たくさんの英語インプット(聞く・読む)が絶対条件!
インプットが十分であれば、
- 少しの英語アウトプット(話す・書く)も効果的!
英語習得の絶対条件は、英語をたくさん「聞く」ことです。大人であれば「読む」というインプットも可能ですが、子供は読めませんので聞いてもらうことが大切です。
第二言語習得の分野で、言語習得には大量のインプットが必要というのは、研究者の間でも一致している意見です。
一方、「話す」「書く」という英語のアウトプットに関しては、研究者の間で意見が分かれています。インプットさえあれば、アウトプットは英語を身に付けるのに必要ないという考えも存在します。
いずれにせよ、言語習得にインプットは欠かせず、英語力を高めるための重要な条件であることは覚えておいて頂きたい事柄です。
アウトプットの役割
英語のアウトプット(話したり、書いたりすること)は、学習者のやる気を維持するために効果的だと思っています。
やはり、知った英語は使ってみたくなるのが人の心理です。
使ってみて、うまく通じれば、嬉しくなります。もっと知りたい、また使ってみようかな、という気になるものです。
代表的なアウトプットの場が英会話スクールだと私は思っています。
知識として学んだ英語を実際に使ってみる場所(アウトプットの場)として利用すると、英語力がぐんと高まります。
幼児期の英語学習方法:耳からのインプット【聞き流し】
聞き流し:BGMのように子供が生活している空間で英語の音声を流すこと
聞き流しは、習慣化しやすい時間帯に、1日90分ほど行います。
この90分とは、核家族に生まれた第一子が耳にする1日の音声量から計算されている長さだそうです。まとまった時間である必要はなく、15分を6回などでも問題ありません。
ボリュームは控えめであることが重要。
耳を傾ければ内容は聞こえるが、賑やかだと少し聞きにくい、そんな程度でかけ流します。
インプットの量を増やすため、教材は1か月毎に新しいものに変更することが推奨されています。
【聞き流し】におすすめの英語教材 Baby English Labo

聞き流しに使用できる教材
- 映像が付いていないネイティブ音声
- 語られている内容の意味付けができる絵本や歌
この聞き流しに使える条件を備えた英語絵本教材として、Baby English LaboのCD付き英語絵本セットがあります。
英語圏で有名な絵本が毎月1冊(6か月間)送られてきます。
絵本の内容がネイティブの音声で語られているCDが付いており、聞き流しにもってこいです。また、マザーグースを含む、英語の歌もCDに含まれています。
Amazonなどで洋書が簡単に手に入る時代ですが、質の高いCD付きの英語絵本はなかなかありません。
こちらの教材で絵本6冊を試されてみて、子供が興味を示したもの、反応が良かったものなどを観察しながら、新しい教材を探してみられるのが良いと思います。
音声サンプルも公式ホームページから聞くことができますし、安心して購入できますよ!
小学生の学習方法:目からのインプット【絵本の多読】
絵本を使った聞き流し、読み聞かせを続けていると、いつしか一人でページをめくりながら、声に出して読んでいることがあります。
はむ先生
日本語でもそのような姿は見られたことがありますよね。
実は、この段階では文字を読んでいるのではありません。たくさん読んでもらった本の内容を暗唱している状態です。
子供たちは絵本のページをめくりながら、丸覚えした内容を口に出します。もしくは、黙々とページをめくっているのであれば、口にしないまでも頭の中で内容が流れている状態と言えます。
この状態を繰り返していると、あるとき変化が起こります。
ページをめくりながらスラスラと口にしていた内容がぎこちなく、つっかえつっかえになります。これは、自分が口にしている音声と、絵本のページの中の1風景として溶け込んでいた文字が一致することで起こります。文字の読み始めです。
こうして次のステージの「拾い読み」へと進みます。
日本語の本を読み始める時期が子供によって異なるように、英語を読むことに興味を持ち始める時期はそれぞれです。しかし、日本語の文字が読めるようになることと同じ過程をたどって、英語も読めるようになることが可能です。
読み初めに向いている絵本
基本的には、幼児期に「読み聞かせ」や「聞き流し」で利用していた絵本から、本を読むというところに結び付けていくと良いでしょう。
その後は、次のような絵本がおすすめです。
- 短い(10ページ前後)
- 繰り返しが多い
- 冊数が多い
- ネイティブの音源がある
もともと良質な絵本は繰り返しも多く、このような特徴があると思います。
100冊、200冊と覚え、読んでいくうちに、子供が自然と音と文字の関係に気が付き、身に付けます。
子供の好みもあるので、バラエティーに富んでいた方が、お気に入りの絵本に出会えるかもしれませんね。
幼児~小学生|培った英語を使う場【英会話レッスン】
私は英会話レッスンというのは、知識として得た英語を実際に使ってみる場だと思っています。
はむ先生
週1回、1時間程度の英会話レッスンでは意味がないというようなことを聞いたことがあるのではないでしょうか。
確かに週に1時間英語を聞くだけで、英語を自分の言葉として話し始めることはないでしょう。英単語や英語のフレーズの知識が少し増えるかもしれませんね。
アウトプットの場として英会話スクールを利用することで、1か月もすると、目に見えた効果が感じられます。
言語習得はインプットがないと起こりません。
自宅での聞き流し、読み聞かせ、多読などの英語インプットを十分にしてから、英会話レッスンを始めることが重要です。
おすすめオンライン英会話スクールNOVAKID

私は、以下の点でNOVAKID(ノバキッド)を一押ししています。
- レッスンカリキュラム(学習計画)がしっかりしている
- 講師の質が高い
- 教材が面白い
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自宅で受けるオンライン英会話スクールの最大の特徴は、マンツーマンなのに価格が安いことです。
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ネイティブ・ノンネイティブいずれの講師も、全員がTESOLなどの国際的な英語教員免許をもっているのはNovakidだけです。それもあってか、本当にレッスンの質が高いのです。
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