英語の絵本やORTを読んできたお子さんが、少しずつ長い本に進み始めると、「次はどんな本を読めばいいのだろう」と迷うことがあると思います。
絵本では物足りなくなってきたけれど、いきなり分厚い児童書は難しそう。Nate the Greatのような短めのチャプターブックは読めるけれど、もう少し物語性のある本にも挑戦したい。
そんなときに候補になるのが、Magic Tree Houseシリーズです。
大学英語講師はむ先生英語講師の「はむ先生(村上里実)」です。教歴は15年、大学で非常勤講師を務め、第二言語習得を専門としています。
Magic Tree Houseは、英語圏の子どもたちにも長く読まれているチャプターブックの定番シリーズです。
日本のおうち英語や多読でも、ORTや初級リーダーの次に名前が出やすい本だと思います。
この記事では、Magic Tree Houseシリーズの内容や英語レベル、多読に向いているかどうかを、わが家で読んでみた感想も交えながら紹介します。
Magic Tree Houseシリーズの内容やレベルは?

Magic Tree Houseは、Mary Pope Osborneによる児童書シリーズです。
主人公は、兄のJackと妹のAnnie。
2人が森の中で見つけた不思議なツリーハウスには、たくさんの本が置かれています。その本を開くと、ツリーハウスごと時代や場所を超えて、恐竜の時代、中世のお城、古代エジプト、海賊の世界などへ旅をすることになります。
1冊ごとに行き先が変わるので、物語として楽しみながら、歴史や自然、科学、文化にも少しずつ触れられるのが特徴です。
シリーズにはいくつか種類があります。
まず読み始めやすいのは、初期のMagic Tree Houseです。
1冊あたりの語数はおよそ5,000語前後で、英語のチャプターブックとしては短めです。
その後、少し難しめのMerlin Missionsや、物語の背景知識を深めるFact Trackersというノンフィクション系の関連本もあります。
多読で最初に考えるなら、まずは初期のMagic Tree Houseからで十分です。
いきなり関連シリーズまで広げるより、最初の数冊を読んでみて、お子さんが世界観に合うかどうかを見るのがよいと思います。
あらすじは?
Magic Tree Houseの基本の流れは、とても分かりやすいです。
- JackとAnnieが不思議なツリーハウスを見つける
- ツリーハウスの中にある本を開く
- 本の中の世界へ移動する
- その場所で冒険をしながら、目的を果たして帰ってくる
このパターンがあるので、英語が多少難しくても、話の流れを追いやすいです。
現役英語講師はむ先生ORTのMagic Keyに近いですね!
たとえば第1巻のDinosaurs Before Darkでは、JackとAnnieが恐竜の時代へ行きます。
第2巻のThe Knight at Dawnでは、中世のお城が舞台です。第3巻では古代エジプト、第4巻では海賊の世界へと、子どもが興味を持ちやすいテーマが続きます。
この「毎回ちがう場所へ行く」という作りが、シリーズを読み進めやすくしていると思います。
ミステリーのような要素もあり、ツリーハウスは誰のものなのか、なぜ2人は旅をすることになったのか、という大きな流れもあります。
1冊ごとに完結しながら、シリーズ全体としても先が気になる構成です。
英語の多読では、内容をすべて細かく理解するよりも、「次も読みたい」と思えることがとても大切です。
その点で、Magic Tree Houseは子どもの興味を引きやすいシリーズだと思います。
英語のレベルはどう?


Magic Tree Houseは、英語圏ではチャプターブックに入り始めた子ども向けの本です。
ただし、日本語を母語とする子どもが英語多読で読む場合、決して「簡単な本」ではありません。
ORTや簡単なリーダーと比べると、文字量が一気に増えます。絵はありますが、基本的には文章を読んで物語を追っていく本です。
1冊の語数は、初期の巻でおよそ5,000語前後です。
Nate the Greatと同じくらい、または少し長く感じるお子さんもいるかもしれません。文の長さや単語の難しさだけでなく、「1冊を読み切る体力」が必要になります。
英語の文そのものは、児童書としては比較的読みやすいです。
JackとAnnieの会話が多く、場面の展開もはっきりしています。章も短めなので、1日1章ずつ読むような進め方もしやすいです。
一方で、恐竜、古代エジプト、中世、海賊など、テーマによっては知らない単語が出てきます。
たとえば、歴史や自然に関する語彙は、日常会話や幼児向け絵本ではあまり出会わないものもあります。
そのため、英語のレベルだけでなく、お子さんの興味との相性が大切です。
恐竜や冒険が好きな子なら、多少知らない単語があっても読み進められることがあります。逆に、物語の設定にあまり興味がない場合は、少し重く感じるかもしれません。
目安としては、ORTのStage 7〜9あたりや、やさしいチャプターブックに慣れてきた後に試すとよいと思います。
いきなり1人で読むのが難しければ、最初の数冊は親子で一緒に読む、音声を聞きながら読む、1章ずつ区切って読むなど、負担を小さくすると続けやすいです。
Magic Tree Houseシリーズは多読向き?

Magic Tree Houseは、多読に向いているシリーズだと思います。
理由は大きく3つあります。
1つ目は、シリーズの型が決まっていることです。
毎回、JackとAnnieがツリーハウスから別の時代や場所へ行き、そこで冒険をして帰ってくるという流れがあります。
型がある本は、多読に向いています。最初の1冊は少し難しく感じても、2冊目、3冊目と読むうちに、登場人物や展開に慣れていきます。知らない単語があっても、話の流れを予測しやすくなるのです。
2つ目は、子どもの興味に引っかかりやすいテーマが多いことです。
恐竜、忍者、海賊、月、サメ、古代文明など、子どもが「読んでみたい」と思いやすい題材がたくさんあります。多読では、レベルだけで本を選ぶより、「読みたい」という気持ちがあるかどうかが大切です。少し難しくても、内容に興味があれば読み切れることがあります。Magic Tree Houseは、その意味で入口が多いシリーズです。
3つ目は、巻数が多く、読み続けやすいことです。
1冊読んで終わりではなく、気に入れば次の本へ進めます。同じ登場人物、同じ世界観で読み続けられるので、新しい本を探す負担も減ります。ただし、多読の最初の1冊としては、少し難しいかもしれません。英語絵本を読み始めたばかりの段階でMagic Tree Houseに入ると、文字量の多さに圧倒される可能性があります。
Magic Tree Houseは、「英語の本を読むことに慣れてきた子」が、チャプターブックへ進むタイミングで選ぶとよいシリーズだと思います。
YL(読みやすさレベル)の目安
Magic Tree HouseのYLは、初期の巻で2.5前後を目安にするとよいと思います。
1冊の語数は、初期巻でおよそ4,700〜5,600語ほどです。
数字だけを見ると、「思ったより短い」と感じるかもしれません。
| タイトル | 語数(目安) | YL |
| Dinosaurs Before Dark | 4,750語 | 2.5 |
| The Knight at Dawn | 5,218語 | 2.5 |
| Mummies in the Morning | 5,110語 | 2.5 |
ただ、日本語を母語とする子どもの多読では、語数だけでなく、内容語の多さや背景知識も読みやすさに関わります。
Magic Tree Houseには、日常会話だけでなく、恐竜、ミイラ、騎士、海賊、忍者など、テーマに関する単語が出てきます。
そのため、YL2.5前後といっても、ORTの延長のようにすらすら読めるとは限りません。
お子さんによっては、Nate the Greatより読みやすいと感じる場合もあれば、逆にMagic Tree Houseの方が難しいと感じる場合もあると思います。
Nate the Greatはミステリーとしての読み取りが必要ですが、Magic Tree Houseは冒険の流れがはっきりしています。そのため、ストーリーの勢いで読める子には合いやすいです。
一方で、文章量そのものは多いので、短い本に慣れてから入る方が安心です。
順番を検討するなら、次のように試してみてください:
- ORTやリーダーズを読む
- Nate the Greatなど短めのチャプターブックに触れる
- Magic Tree Houseの初期巻を試す
1人読みが難しければ、最初は聞き読みでも大丈夫です。
英語の本は、すべて自力で読ませようとしなくてよいと思います。
音声を使いながら物語の世界を楽しめるなら、それも立派な多読の入り口だと言えるでしょう。
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Magic Tree Houseは、「絵本から児童書へ進む途中の本」として、とてもよくできていると感じました。
まず、1冊ごとのテーマが分かりやすいです。
恐竜、お城、ミイラ、海賊など、タイトルを見ただけで子どもが内容を想像しやすく、「これ読んでみたい」と選びやすいところがよいです。
また、JackとAnnieの性格がはっきりしているのも読みやすいポイントです。
Jackは慎重で、本で調べたりメモを取ったりするタイプ。Annieは行動的で、思い切って進んでいくタイプです。
この2人のやり取りがあるので、知らない場所に行く冒険でも、物語に入りやすいと思います。
一方で、最初からすらすら読める本ではありません。
英語絵本やORTに慣れている子でも、Magic Tree Houseに入ると、急に「本らしい本」になった感じがあると思います。ページ数も増えますし、白黒、絵だけで内容を追うことは難しくなります。
そのため、最初の1冊で止まってしまっても、「まだ早かったかな」くらいに考えてよいと思います。
多読では、難しい本を頑張って読むより、今の子どもに合う本を気持ちよく読む方が大切です。
逆に、冒険ものが好きな子、恐竜や歴史に興味がある子、シリーズものを読み進めるのが好きな子には、とても合いやすいと思います。
わが家では、Magic Tree Houseは「読めるようになったら嬉しい本」という位置づけでよいと感じました。
無理に急がなくても、英語の本を読む体力が育ってきたタイミングで出会うと、長く楽しめるシリーズになると思います。
どこで買える?
Amazonでも購入できますがシリーズではないため、1冊または数冊だけ試してみたいという方におすすめです。
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Magic Tree Houseは「チャプターブックへの橋渡し」におすすめ

Magic Tree Houseは、英語多読の定番と言ってよいシリーズだと思います。
ただし、英語を始めたばかりの子向けではありません。
ORTややさしい英語絵本を読んできて、少しずつ文章量のある本に進みたい子に向いています。
目安としては、
- YL2.5前後
- 初期巻は1冊5,000語前後
- 読み切るにはある程度の英語の読書体力が必要
です。
最初は音声を使ったり、親子で一緒に読んだりしても大丈夫です。
「全部自力で読めるか」よりも、「物語を楽しめるか」を大切にすると、多読は続きやすくなります。
Magic Tree Houseは、絵本からチャプターブックへ進む橋渡しとして、とても魅力のあるシリーズです。
お子さんが冒険や歴史、恐竜、海賊などに興味があるなら、一度試してみる価値はあるでしょう。
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