2020年より小学校に「科目」として英語が導入されるようになりました。
それに従い、小学校の英語授業についていけない!!という声がリアルに聞かれるようになりました。
はむ先生
はじめまして。大学で英語を教えている「はむ先生」と申します。
教歴は15年ほど。現在は仕事をしつつ、息子の相手をする、そんな毎日を過ごしています。
個別相談も行っています。どうぞお気軽にご利用下さい!
この記事では、
- 小学校の英語についていけない原因と対策
について書いていきたいと思います。
参考にしていただければ幸いです!
小学校の英語についていけない原因

2020年から小学校で本格的に英語が取り入れられるようになりました。
おおよそ10年前である2011年度より試用期間として、小学校高学年に外国語活動が導入され、その状況を反映させてのスタートとなっています。
このお試し運用期間中に主に問題視されたのが中学校の英語授業との円滑な接続ができていないということです。
また、理論的に物事を考えられる年齢になってきた高学年の子供達が、文字の導入がないことで英語が身に付いているか実感しにくいということについても、改善点として挙げられました。
中学校の英語授業にスムーズに移行するいう点が改良されたうえで、小学校英語が開始されることとなりました。
はむ先生
外国語活動の試用期間には文字は導入されていませんでした。
小学校英語は実質中学生の前倒しになった

中学校での英語授業への円滑な接続のために、
- 小学校5年生・6年生の英語授業では「書く」「読む」ということが取り入れられる
ようになりました。
目に見える「読み書き」を導入することによって、学習内容が子供たちに伝わりやすいことも導入の理由になったようです。
はむ先生
音声のみの「聞く話す」という活動だけだと、ぼんやりした言語情報であることは確かですね。
つまり、中学1年生・2年生でやっていた学習内容を小学5年生・6年生で学ぶことになったのです。
小学校で教員として働く友人は、やはり高学年になると英語を学外で習っていない場合は難しいと伝えてくれました。
基本的にALTの先生が教えて、担任もたまに教えてるかな(ALTの先生がこないとき)。ALTと担任が相談して進めてると思う。学校によっては英語専科の先生いるみたいだよ。
高学年になると、習ってる子以外はたぶんちんぷんかんぷんかも。6年は過去形とか出てくるし。テストはあるから、5・6年はとにかくテキストやらなきゃって感じじゃないかな?
個人的なメールより抜粋
このような意見を見ると、小学校でやり過ぎなのではと感じると思うのですが、中学生の学習内容を踏まえるとそうでもないのです。
中学生になると、小学生で扱ったことは全て身に付いたことが前提となって、授業が進行していきます。
つまり、小学校の英語教科書の内容は身に付けておくに越したことは無いのです。
小学校の間に「英語についていけない」を克服する

正直に言うと、「小学校の英語についていけない」と感じている現状を、直ちに改善する魔法のような方法はありません。
なぜなら、母語の日本語であれ、外国語の英語であれ、言葉の習得には時間がかかるからです。
これは生まれ持った能力の高さに関係なく、そういうものなのです。
しかし、小学校5・6年生の2年間をかけて、英語授業についていけないという現状を打破することは可能だと感じています。
少し長いスパンで、英語力アップの対策を考えていきたいと思います。
はむ先生
2年間があれば、なんとかなります!
小学校の英語についていけない対策【親編】

英語を身に付けるために必要な手順は、おおよそ決まっています。
- 英語たくさん聞く
- 英語を話す練習をする
- 英語を読む練習をする
- 英語を大量に読む
- 英語を書く練習をする
この5つのステップです。
聞く→話す→読む→書くの順に進むことが、言語習得の基本です。
はむ先生
日本語も同じですね。
小学校入学前までに①と②を終えていますね。
英語を生活の中に取り入れる
子供が小学校の英語についていけないときの対策は、英語を聞く時間を自宅で確保するしかありません。
言葉を身に付ける基本は「英語をたくさん聞く」ことです。
英語習得のことだけを考えれば、早ければ早い方が、多ければ多い方が良いですが、継続することが一番大切です。
まずは、1日1時間を目標にすると良いと思います。
はむ先生
最低でも2500時間ぐらいは英語の蓄積が必要なので、結果を急がないことです。1日1時間で7年くらいです。
親ができることは1日1時間無理なく取り組めることが何かを考えることです。
高学年にもなると部活や他の習い事で忙しく、幼い時期に比べて時間がないと思います。
息抜きとして何かできるような、子供が楽しめることと英語を結びつけることがおすすめです。

本が好きなら、CD付きの絵本を。
好きなゲームがあるなら、英語の解説付きのYouTube動画を。
スポーツが好きなら、英語で実況中継されている動画を探すのです。
英語を耳にする時間を確保することが目的なので、子供が楽しく遊んでいる様にしか見えなくても問題ありません。
はむ先生
息子はもっぱら英語でアニメです。
子供さんがコツコツと勉強に取り組めるタイプであれば、以下の記事にまとめている倍速学習ができる教材もおすすめです。
隙間時間で利用可能な英会話スクールを検討する
英語学習は成果が見えるまでに長い時間がかかるので、楽しく継続するには工夫が必要です。
私は、自宅での英語の取り組みに加え、英会話スクールを利用することをおすすめします。
「英語の学び始め」に利用する英会話スクールの目的は、英語を流暢に話せるようになる為ではありません。
- 英語を話す人との出会い
- 英語が通じたという楽しさ
- 上手くなってきたという実感
を体験するためです。
はむ先生
外国人の先生との信頼が深まれば、英語を話せるようになりたいと自然に思うようになります。
英語を楽しく話せたという成功体験は、今後も長く続く英語学習に対して肯定的な気持ちや態度を養うことができます。

おすすめの英会話スクールは、Novakid(ノバキッド)です。
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- 楽しく飽きない教材
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ネイティブ講師とノンネイティブ講師が選べますが、予算に合わせてどちらでも構わないと私は考えています。
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小学校の英語についていけない対策【教師編】

小学5年生、6年生の英語授業が始まり、授業についてこられていない児童を目にすることがあると思います。
今は乳幼児期から英語を生活に取り入れている家庭もあれば、小学生で初めて英語に触れる家庭もあり、以前に比べ英語力の差が大きくなっていると感じます。
家庭環境の差はいつの時代も当然にありますが、それを前提として、教員が子供にできることを考えてみました。
英語習得に関する知識を共有する
第二言語習得の分野で常識とされている知識というのは存在します。
しかし、それらが一般的には知られていないのが現状です。
児童らにとって教員の存在は大きく、何気ない一言に救われることは多いと思います。
英語につまづく子供達への言葉がけのヒントにしていただければ嬉しく思います。
はむ先生
子供にとって小学校の先生の存在は大きいものです。
Tip1:英語は誰でも身に付く!

第一言語である日本語を身に付けられた能力があれば、英語は誰でも身に付けられます。
これが他の科目との違いで、生まれ持った能力が原因で、英語が身に付けられないということは起こりません。
言語を身に付ける能力には個人差があり、言語習得の向き不向きはあります。
しかし、誰もが母語である日本語(または他の言語)を身に付けられたように、外国語である英語も身に付けることができます。
はむ先生
一定の環境下に身を置けば、言語は誰でも自然に身に付きます。
Tip2:英語を身に付けるには時間がかかる!

英語を話せたり、読めたりするようになるまでには、長い時間がかかります。
言語習得の適性が高い人でも2500時間くらいです。
はむ先生
1日1時間の取り組みで7年くらいですね。
算数などの他教科の場合、計算式の解き方さえ理解すれば、10分後には計算問題が解けるようになります。
英語は頭で理解したからと言って、それが即座に使えるようにはなりません。
焦らず継続することが一番大切です。
Tip3:英語をたくさん聞く(読む)ことが大切!

英語を身に付けるには、耳からたくさん言葉を聞くことを中心に、頭の中に言葉を蓄積していく必要があります。
一方、人間には言語形成期という、言語を身に付けやすい期間が存在します。
小学生の高学年になると、言語形成期後半(9歳から15歳)に差し掛かり、文字情報が優先となる年齢になります。
つまり、聞き慣れない英語の音声情報に拒否反応を示す児童がいても、不思議ではありません。
言葉を耳にしているだけで自然に言語を習得できる年齢は、言語形成期前半(0歳から8歳)だと言われています。
高学年の児童には英語の導入に工夫が必要な時期だと言えます。

Tip4:子供に世界を見せる!

身近な大人が世界とつながっていることは、子供が英語を学ぼうとする姿勢を獲得する上でとても大切なことだと感じます。
世界とつながる先生ご自身の体験、身近な人の体験を共有されてみる試みは、子供が英語を身近に感じるきっかけになると思います。
論理的な思考が育つ高学年にもなると、なぜ英語を学ばなければならないのかという疑問を抱くようになります。
子供が身近に感じられていない大きな世界を、大人を通して体験できるきっかけは、英語を学ぶ意味を子供ながらに考える良いきっかけになると感じます。
はむ先生
私が英語を教えることを職業にしていたり、海外とのつながりをもっていたりすることは、息子の英語への取り組みに何らかの影響があるように感じます。
Tip5:他国での外国語の教え方を参考にする
現代に生きる大人のほとんどは英語学習を経験してきています。
自分が教える立場になったときに、自分が教わってきた方法から受ける影響というのは少なからずあります。
しかし、日本における英語学習に関しては、成功しているとは言い難いのが現状です。
外国語を教える方法として、どんな方法が最も効果的なのでしょうか。
その方法というのは、学習者の年齢によっても変わってくるでしょう。
私のおすすめは、他国で外国語がどのように学ばれているのかを参考にすることです。
私はアメリカの大学で日本語教員として働いていたことがありますが、日本の言語教育とは全くことなる教授法が使われていました。
はむ先生
まずは、白井恭弘先生の著書を参考にされると分かりやすいと思います。『英語教師のための第二言語習得論入門』がおすすめです。
小学校の英語についていけない状況|学び始めのチャンスと捉える

子供が英語の授業についていけていない現状は、決して悪いことばかりではありません。
逆にその現状を受け、子供がどうにか挽回したいという気持ちをもっているなら、英語を身に付けるチャンスだと言えます。
小学校の低学年やそれ以前に始める英語教育のほとんどは、親が英語を身に付けさせたいという気持ちから始められる場合がほとんどです。
子供からすると、英語は気が付いた頃には使えるようになっている言葉であり、それ以上でもそれ以下でもありません。
大人へと成長する過程で、本当に高い英語力を身に付けられるかどうかは本人の努力次第です。
つまり、何歳から英語学習を始めようと、本人の気持ち次第で英語は身に付けられるのです。
小学校の英語授業についていけないくらいのこと、数年で挽回できます。
今が英語を学び始めるチャンスです!
はむ先生
困ったことがあれば、お気軽に個別相談をご利用ください