一般的に幼児期とは、離乳が終わる1歳前後から就学前の5-6歳までの子どもを指します。
幼児期にいる子供たちの成長は驚くほど大きく、1歳と5歳の幼児を同じ枠組みで語ることはできないというのが正直なところです。
はじめまして!
英語講師の「はむ先生」と申します。
教歴は15年ほど。現在、大学の非常勤講師として働いています。
公文の英語教材は幼児期の子供達に向いているのでしょうか。
結論から述べると、一般的には幼児期に公文英語は向かないが、年齢が高くなるほど公文英語が向くお子さんも出てくると考えています。
この記事では、
- 幼児期(年齢別)の公文英語の活用方法
について、詳しく書いていきたいと思います。
公文の英語は一般的に幼児に向かない理由は?
英語を耳から学べる幼児期
1歳から5歳の幼児期にいる子供は、言葉を耳から聞いて身に付けることができる能力をもっています。
大人の様に本を開きながら頭で理解する「お勉強」をしなくとも、耳から聞いているだけで自然に習得することができる特別な時期だと言えるでしょう。
一方、同じ幼児でも1歳と5歳では母語習得レベルが全く異なります。
1歳の赤ちゃんは単語での発話が見られるかどうかという状態である一方、5歳にもなると母語の基礎ができあがっているのです。
ご自身のお子さんに当てはめながら、読み進めてくださいね!
言葉が育つということは、頭で考えらえる能力を持つということです。
物事に対して意識がより明確になるため、外国語学習に関しても、理解ができる言葉(母語)とそれ以外という線引きをするようになるのです。
つまり、約5年間の幼児期ですが、1歳と5歳では英語を身に付けるために異なるアプローチが必要だと言うことができます。
日本語を介して理解する公文英語教材
公文の英語教材の特徴の1つは、日本語を介して理解できるように作られている点にあります。
幼児レベルの教材から、単語には日本語で意味の記載があったり、文章には対訳がされていたりします。
和訳は百害あって一利なしと思われがちですが、英語学習開始年齢によっては、日本語を介した方が理解が速まる場合もあります。
しかし、幼児期は頭で考えることなく「自然に」言葉を身に付けられる能力をもつ時期です。
それを考慮すると、公文教材を使い、お勉強して英語の身に付ける年齢はもう少し後かもしれません。
個人的には、幼児期にいるお子さんはもっと楽しく英語を身に付けられる方法があると考えています。
結論を先に知りたい方は、最後の章へ!
幼児に公文英語が向く場合もある!
4歳頃から英語を嫌がることもある
自然に言葉を身に付けられる幼児期でも、公文英語のように日本語を介しながら身に付ける教材で学ぶ方法が向く場合もあります。
その判断基準は「英語は分からないからイヤだ」と、お子さんが英語に触れることを拒否する状態にあるかどうかです。
早いと3歳頃から、4歳にもなると多くのお子さんがそのような反応をするようになります。
日本語の習得レベルが高まるためです。
幼児期の子供は、日本語のテレビを見ていても全てを理解している訳ではありません。
日本語のアニメを見ていても、分からない表現や語彙も多くあるはずです。
しかし、理解できる日本語の語彙数も増えてきているため、ほとんど分からない英語を聞き続けることに苦痛を感じるのでしょう。
この部分は、子供のもつ資質、個性も大きく影響します。
意味理解が曖昧なままでも英語動画を楽しむことができれば、少しずつ自然に語彙や表現が身に付いていきます。
「何を言っているかは分からないけど、何となく楽しい!」と思えるお子さんは、英語習得においては強いと思います。
意識的にお勉強をせずとも言葉を自然に言葉を身に付けられるかは、不確実性に耐えられるかどうか(嫌だと感じないか)が分かれ目となりそうです。
5歳は日本語の基礎力が完成する年齢
幼児期の約5年間は、生涯の中でも、飛躍的な言葉の発達が見られる時期です。
母語である日本語習得に関して言えば、5歳で日本語の基礎が完成し、その後10年かけて完成させます。
日本語習得の完成は15歳だと言われています。
日本語は難易度の高い言葉として知られています。英語が母語の場合は12歳だそうです。
つまり、英語開始年齢が日本語の基礎力が完成する5歳に近づくほど、言葉で考えようとする力が高まり、英語拒否が強まると言えます。
まだまだ耳から聞いた音から自然に言葉を学べる時期なので、正直、もったいないとも感じます。
しかし、子供によっては公文教材の様に対訳式で英語を導入する方が、拒否感なく英語を受け入れることができる場合もあるでしょう。
お子さんに合う学習方法を見つけてあげることは大切です。
日本語を介すことなく、英語を英語のまま理解した方が良いというのは定説です。
しかし、個人的には、子供本人が嫌だと感じることを無理強いすることはお勧めしません。
言葉を身に付けるには、母語ですら10年以上の長い年月がかかるのです。
お子さんが楽しいと感じられる方法を見つけてあげることが、英語習得への近道だと考えています。
そういう意味では、公文英語も検討の価値はありそうです。
幼児期から公文英語を始めて目指せる目標は?
英語の語彙力が高まり読み書きに強くなる
日本語を介しながら英語を身に付けていく公文教材は、英語を知識として身に付けていきます。
ですので、公式HPにも記載があるように、英語を話す力を伸ばすための学習法ではないことは理解しておきたい点です。
プリント教材も、語彙を増やし、文章の読み書き能力を高める練習ができる様に作られています。
一方、タッチペンを使って音声を聞きながら、個々のペースで進められるところは魅力だと感じます。
公文英語教材の内容は、幼児から小学校低学年レベルの教材(3AからC)は語彙を増やし、定型表現を学ぶことを中心に構成されています。
C教材以降は文法用語を使った説明が出てくるようになります。
多くの幼児期~学童期前半のお子さんには早すぎると思いますので、個人的には、C教材が終わったら英会話に移行するのがお勧めです。
子供が「英語を聞いても分からない」と反応するということは、分かる英語の言葉を増やしてあげれば問題は解決します。
個々のペースでC教材まで終えたあと英会話に移行すれば、子供の不安や戸惑いを減らすことができると思います。
公文は入会金も必要なく自由に退会することができるので、便利に利用することができますよ。
語彙を増やすのは慎重派のお子さんにもオススメ!
英検取得を目指すご家族が多い
文法や読解に特化している公文の英語教材は、英検取得を目指すご家庭に好んで利用されています。
とはいえ、幼児期から英検を視野に入れるご家庭はごく一部かと思います。
英検取得を目指すとなると、文法問題や文章題を解く練習が中心となります。
公文英語教材は文法解説を含み読解中心で構成されているので英検と相性が良いのでしょう。
この場合は、D教材以降も公文英語を継続します。
日本の学校教育において英検取得は何かと優遇されていますが、英検準2級まではそれほど高い英語力がなくとも取得できます。
資格試験に合格すれば、子供さんの自信にもなる点はメリットだと感じます。
個人的には小学校低学年までは会話中心、高学年にむかって(英検を含む)読解中心へ移行するのがおすすめです。
文章を読んだり、文法(つまりは言葉のルール)を覚えたりすることが苦ではない場合は、コツコツと継続できる公文は良い選択になるでしょう。
幼児期に考えたい公文英語以外の選択肢
英語で話す力は幼児期が伸ばしやすい
英語力といっても、その能力は1つではありません。
リスニング、スピーキング、リーディング、ライティングと、少なくとも4技能に分けて考えることができます。
この中で、幼児期に伸ばしやすい能力は「スピーキング力」です。
年齢が上がるほど、失敗を恐れるようになりますし、恥ずかしさもでてきます。
言い換えると、幼児期を外すと伸ばしにくい能力ということもできるでしょう。
スピーキング力を伸ばすには聞き取る能力は必須なので、意識しなくともリスニング力高まります。
周りの目が気になり出すと、途端に難しくなりますよね。
スピーキング力が高まってきたら伸ばしたい能力は「リーディング力」です。
日本語でも年中さんの頃から徐々にひらがな・カタカナを読めるように練習するように、読解力は言語発達には欠かせない能力です。
しかし、幼児期にはスピーキング▷リーディングという順序は意識をして守った方が良いでしょう。
オンライン英会話スクールを検討してみる
リスニング力・スピーキング力を伸ばすおすすめの方法は、オンライン英会話スクールを利用することです。
その理由は、本当に子供が
- 聞けるようになる
- 話せるようになる
- 読めるようになる
からです。
子供が楽しく通っているだけの英会話教室とは異なります。
その秘訣は、質の高いカリキュラムと教材はもちろんですが、マンツーマンレッスンにあると考えています。
母語習得では、親が子供に話しかけることで言葉を身に付けていきます。
英語も子供「個人」に向かって話されることで、初めてその言葉が子供にとって意味を持つものとなるです。
中でも、質の高いカリキュラムと教材を提供するオンライン英会話を選ぶことが何よりも大切です。
個人的なおすすめは、上の3技能がしっかり身に付くNovakid(ノバキッド)です。
息子も現在継続中ですが、4歳スタートの2年間で驚くほどの成長を見ることができました。
参考にしていただければ幸いです!