早くからおうち英語を始めたお子さんであれば、小学校入学が近づいてくると、「そろそろ文字の読み書きも」と考え始める方は多いと思います。
一方で、アルファベットの練習帳を買ってみたものの続かなかった、フォニックスと聞くけれど何をすればいいのか分からない、という声もよくいただきます。
この記事では、ことばの発達の4つのフェーズのうち、3つ目にあたる「文字の読み書きができる」段階について、家庭でできることと、家庭で頑張らなくていいことを整理してお伝えします。
▷ 4つのフェーズの全体像はこちら:おうち英語の全体像|ゆるく続けて成果を出す4つのフェーズ
フェーズ3とは「学習」として英語に取り組める段階

フェーズ3は、英語の音と文字の関係を理解し、少しずつ単語や文を読んだり書いたりできるようにしていく段階です。
フェーズ1・2との大きな違いは、取り組みの性質にあります。聞くこと、話すことは、かけ流しや英会話のやり取りを通して、生活の中で自然に育っていく面が大きいものです。
一方、読み書きはそうはいきません。母語である日本語でも、ひらがなやカタカナの読み書きは、小学校で系統立てて教わりますよね。文字は、ある程度意識的に「学ぶ」必要がある領域なのです。
だからこそ、この段階に入る目安は、年齢そのものではありません。お子さんが「学習」としての取り組みに向き合える成熟度です。机に向かうことが特別ではなくなり、少し難しいことにも「やってみようかな」と思える。小学校入学が近づく頃、多くのお子さんにこうした変化が訪れます。
もうひとつ、フェーズ3には大切な特徴があります。それは、このフェーズの伸びが、フェーズ1・2で育てた「聞いて分かることば」の量に支えられている、ということです。
たとえば、”dog” という文字を読めるようになるには、その前に「ドッグ=犬」という音と意味のつながりが、耳の中にできている必要があります。文字を読むというのは、紙の上の記号を、すでに知っている音とことばに変換する作業だからです。
ですあから、聞いて分かることばが多い子ほど、読みの学習はスムーズに進みます。逆に、耳の貯金が少ないまま文字だけを先に教え込もうとすると、記号の暗記になってしまい、苦しい取り組みになりがちです。
なお、小学校中学年以降から英語を始める場合は、少し事情が変わります。日本語の読み書きがすでにできているため、その力を足がかりに、フェーズ3を軸として学習を始めることができるのです。ただしその場合も、土台となる「聞く・話す」を並行して育てることが欠かせません。
この進め方については、記事の後半で詳しくお伝えします。
フェーズ3を始められるサイン

うちの子は今この段階なのかな、と迷ったときは、次のような様子が出てきているかを見てみてください。
- 街の看板やパッケージのアルファベットを、読もうとする
- 絵本の読み聞かせ中に、絵ではなく文字を目で追っている
- 自分の名前をアルファベットで書きたがる
- 15分程度なら、机に向かって落ち着いて取り組める
すべて揃っている必要はありません。
文字への興味がひとつでも見え始めていたら、読み書きの下地は育ち始めています。
逆に、まだ文字にほとんど関心がない場合は、焦る必要はありません。
フェーズ1・2の「聞く・話す」をたっぷり続けることが、結果的に読み書きへの一番の近道になります。
フェーズ3・読み書きの力を育てるためにすること

この段階でやることは、大きく3つに分けられます。
順番に見ていきましょう。
①音と文字の関係(フォニックス)|親が教え込まなくて大丈夫
フォニックスとは、英語の音と文字(つづり)の対応ルールのことです。
“c-a-t” という3つの文字が「クッ・アッ・トゥ」という音に対応していて、つなげると “cat” と読める。
この仕組みを学ぶのがフォニックス学習です。
ここで、はっきりお伝えしておきたいことがあります。
フォニックスの体系的な指導は、専門的な知識と技術が必要なもので、一般のご家庭で親御さんが教え込むことは、現実的ではないと私は考えています。
教材を買い込んで親子で格闘するより、専門の先生に任せた方が、親子ともにずっと楽で確実です。
家庭でできるのは、その下地づくりまでで十分です。
たとえば、フォニックスを歌とアニメで学べる「Alphablocks」のような動画をかけ流しておくだけでも、音と文字の関係への気づきは自然に育っていきます。
本格的に学ぶタイミングが来たら、外国人の先生のいるオンライン英会話や、個別学習の教室が選択肢になります。
▷ Leptonのレビュー|無学年制で読み書きも学べる個別学習
大学英語講師はむ先生幼児期ならNovakid、小学生ならLeptonがおすすめです
②多読「読める」を少しずつ積み上げる

音と文字の関係がつかめてきたら、いよいよ多読の出番です。フェーズ3の中心となる取り組みです。
やさしい英語の本をたくさん読むことで、語彙と文法が自然に定着していきます。
進め方の基本は、3つだけです。
1つ目は、「簡単すぎるかな?」と思うレベルの本から始めること。多読は背伸びをしないほど続きやすく、結果的に力になります。
2つ目は、読んだあとにテストをしないこと。「おもしろかった?」の一言で十分です。理解度の確認は、多読を「勉強」に変えてしまいます。
3つ目は、読んだ記録をつけて見える化すること。多読は成果が見えにくい取り組みなので、積み上がっていく実感が、続けるための一番の支えになります。
定番の教材は、イギリスの小学校で教科書として使われているORT(Oxford Reading Tree)です。
レベルが細かく分かれていて、お子さんの段階に合わせて無理なく進められます。そのほかのシリーズも含めて、多読の本は1シリーズずつ詳しく紹介しています。
▷ オックスフォードリーディングツリー|音声ペン・CD・デジタルどれがいい?
📚 はむ先生の多読きろくアプリ(無料)
読んだ本が本だなに並び、語数がたまっていく多読記録アプリです。ORTなど定番250冊は自動入力OK。100万語への道を、親子で楽しく見える化。登録不要・スマホのホーム画面に追加して使えます。
アプリをつかってみる ▷ 使い方を見る ≫③書く力と英検|読みが安定してからで大丈夫

「書く」は、4技能の中で一番あとに育つ力です。
読みがある程度安定してから取り組めば十分なので、急ぐ必要はありません。単語を書き写す、簡単な文を書いてみる、といった小さな一歩から始めましょう。
また、この段階で良い目標になるのが英検です。
合格という分かりやすいゴールがあると、お子さんのやる気と学習のペースが作りやすくなります。読み書きの力試しとして、5級や4級から挑戦してみるのがおすすめです。
フェーズ3でやらなくていいこと

この段階では、つい「ちゃんと学習させなきゃ」と力が入りがちです。
次のことは、意識して手放してみてください。
- アルファベットの書き取り練習から始めない
読みより先に書きを訓練するのは、順番が逆です。
読めることばが増えれば、書く力はあとから自然についてきます。
- 読んだ内容を和訳させない、テストしない
「今の文、どういう意味?」という確認は、読むことを勉強に変えてしまいます。楽しく読めているなら、それで順調です。
- フォニックス教材で親が教え込まない
先ほどお伝えした通り、ここは先生に任せてよい領域です。家庭の役割は、下地づくりと、読む楽しさを支えることです。
小学生から英語を始める場合

小学校中学年以降にスタートする場合は、フェーズ1から順番に積み上げるのではなく、このフェーズ3を軸にする進め方ができます。
日本語の読み書きの力とこれまでの学習経験が、英語学習の強い足がかりになるからです。
ただし、読み書きだけを進めても、ことばとしての英語は育ちません。
音声付きの本で「聞きながら読む」、オンライン英会話で「話す場を持つ」など、フェーズ1・2にあたる取り組みを必ず並行させてください。
学年ごとの具体的な進め方は、年齢別の記事にまとめています。
▷ 10歳11歳12歳で始めるおうち英語|高学年からの追い上げ方
次のフェーズへ移るサイン

フェーズ3が育ってくると、お子さんにこんな変化が見え始めます。
- 文章中心のチャプターブックを、自分から読み進める
- 英語の本や動画から、新しい知識を得ようとする
- 読んだこと、知ったことについて、自分の考えを話したがる
こうしたサインが見えてきたら、英語が「学ぶ対象」から「学びの道具」へ変わっていく、フェーズ4の入り口です。
読み書きの育て方は、お子さんの文字への興味やそれまでの英語経験によって、ベストな進め方が変わります。
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