英語を身に付けるには2000時間もの学習が必要なのでしょうか。
2000時間とは1日1時間と単純に計算しても、おおよそ5年半かかります。
はじめまして!
英語講師の「はむ先生」と申します。教歴は15年ほど。
現在、大学の非常勤講師として働いています。
結論からお伝えすると、2000時間に科学的な根拠が証明されている訳ではありません。
一方、目に見える成果が得られる学習時間として妥当だと感じます。
英語は言葉であり、学び続ける必要のある分野の1つです。
仕事に使えるレベルで英語を身に付けようと思うと、実はもっと学習時間が必要だと言われています。
この記事では、子供の英語学習に焦点をあて
- 2000時間で目指すことができる英語レベル
について書いていきたいと思います。
英語は2000時間が目安|根拠はないが納得できる訳
色々な場面で「英語を身に付けるには2000時間」という言葉を耳にするのではないでしょうか。
英語習得における2000時間の意味やその根拠は、私の知る限り、今のところ科学的に明らかになっていません。
しかし、私自身の英語学習を振り返っても、息子の英語を身に付ける過程を見ていても、肌感覚では妥当な目安時間だと感じます。
詳しく見ていきます!
学校教育の英語授業時間はどれくらい?
公立の学校に通う場合、小学校3年生から高校3年生までの10年間で、約1200時間の英語授業を受けます。
小学3・4年生は年間35時間、5・6年生は年間70時間、中学生からは授業数が増え、年間で140時間ほどです。
何が言えるかというと、授業時間だけでは言葉を身に付けるには十分ではないと言うことです。
学習方法も上達に関わりますが、そもそも時間が足りていません。
先に述べましたが、英語の基礎が身につくまでの必要学習時間は約2000時間です。
1200時間はおおよそ半分の時間であり、更に10年という期間が「学習の濃度」を下げます。
使える英語を身につけるためには、学校の授業で英語を学んでいるだけではどうしても足りないということが起こります。
小学校学習指導要領は、しきりに英語に馴染む親しむと言います
— Yuriko Hashimoto@子ども英語、中1英語 (@EFKHashimoto1) October 9, 2024
が、我々小学校途中からの帰国生は知る…
どれだけの時間触れて血反吐はいてようやくわかるようになったか
よく知られる2000時間という数はいい線行っている(1年間の現地校通学相当)
触れるだけでは210時間は「???」で終わってしまう
ネイティブと対等に仕事をしたいなら
学校の英語授業だけでは2000時間を達成できないことを前提に話を進めたいと思います。
子供が将来どこで何をしたいと思うようになるのかは、親には分かりません。
英語力の有無に関わらず、将来進む道は子供自身が決断すべきことの1つだと私は考えています。
しかし、子供が使える言語を増やすことで、将来の選択肢を広げることは可能です。
【1万時間の法則】は、英語習得にもあてはまる。
— ソレイユひゆみ✨東大港区おうち英語インター国際生中学受験🌸早期英語教育 (@soleil_hiyumi) October 26, 2023
1000時間でカタコト意思疎通可能
3000時間で文で話せるようになる
1万時間で達人
1日3時間だと1年で意思疎通可能。3年後に話せるようになる。
幼児のバイリンガル育成も。
6時間なら半年で英語オンリーの授業についていけるようになる
上の投稿にあるように、言語習得には時間を要します。
どんな優秀な頭脳を持っていても言葉を身に付けるには時間がかかることも、早めに取り掛かると良い理由の1つです。
言葉が身に付く生活環境を整えることは、親が子供にしてあげられることの1つと言えるでしょう。
子供は年齢が上がるほどに、勉強、部活、友人関係に忙しくなります。
幼児期であれば簡単に作ることができた1時間も、中学生になると途端に難しくなるのです。
親が口を出せるのは小学生が限界かと思います。
2000時間で十分な場合も|目指したい英語レベルは?
日本の環境で生活している場合、0歳から英語教育を始めても英語をネイティブレベルに身に付けるには困難を極めます。
幼児期にはそもそもの言語レベルが低いので、日本語・英語の両言語を年齢相応に使える時期もあります。
しかし、年齢が上がれば、話す能力に加え、読み書きの能力を高める必要が出てきます。
幼い頃から始めても継続が必須です!
両言語、年齢相応レベルのバイリンガルになることは年々難しくなると言えるでしょう。
そこで考えるべきは、英語でどのレベルを目指すのかです。
日本語を母語として年齢相応レベルに育て、その上で、外国語としての英語をどこまで育てるのか目標を立てると良いでしょう。
言語習得にはレベルがある
外国語教育学の分野では、言葉習得にはレベルがあると捉えています。
BICS(Basic Interpersonal Communicative Skills)とCALP(Cognitive Academic Language Proficiency)です。
BICS
日常的に使われる会話能力
CALP
認知学習能力で物事を深く考えたり学んだりできるレベルの国語力
多くの人が想像する「英語を使える人」というのは、日常会話能力(BICS)を持つ人を指すと感じます。
最も身近で、外国人に道を尋ねられ答えられる、楽しそうに英語で話ができるなど、憧れの的となりますね。
しかし、日常会話レベルを目指したい英語力とするならば、1500時間~3000時間でも大丈夫かもしれません。
一方、物事を深く考えられ、英語ネイティブと対等に仕事ができるCALPレベルで話せて、読めて、書ける能力を求めるならば、4000時間でも足りないでしょう。
語学力を高めるって大変です!
「おうち英語」について研究で分かっていることを問われて
— 藤原 康弘 | Fujiwara Yasuhiro (@yasuhiro008) September 11, 2023
「まずは、英語への接触時間の重要性です。幼い時から触れていても、「すらすらと発話が出来るようになる」といった一定の効果を得るには、数千から1万~2万時間が必要です」(尾島先生)(1/3)https://t.co/xrklxQj3NZ
英語を外国語として習得する場合、ネイティブレベルには絶対ならないですよね。
— 米原幸大 (@shin_eikai) September 13, 2023
英語の猛者で有名な京大の青谷先生でさえ、自分の英語力はネイティブの1万分の1だと書いておられたほど(で、京大の英語の先生方の1万倍であるとも😅)。…
日本語を一生をかけて言語力を高めていくように、英語も自分の言葉として磨いていく努力が必要となります。
必要な学習時間は、子供本人が目指したい目標によって大きく異なると言えそうです。
英語を始める年齢は到達レベルに影響する
幼い時期から英語学習を始めなくとも、学校で英語教育が始まってからで十分ではないかという類の話はよく耳にします。
私も中学生から英語学習を始め、結果として英語で仕事ができるレベルに至ったので、理解できる部分もあります。
しかし、開始年齢によって努力では超えられない部分が言語習得にあるということも、皆さんにはお伝えしたい側面です。
子供の能力はすごいとも言えますね!
英語は中学からでも間に合うかというと、英検1級・TOEIC990点の私としては「全く間に合わなかった」という感想。
— ちむ子👶3y@おうち英語 (@chimwo_chimko) October 16, 2023
英語を喋る私は日本語を喋る私に比べて、全然面白くないし、稚拙だし、自分がすごいアホになった気分になるので、その状態で生きていくの嫌だと英語を使う仕事を諦めたところもある。
外国語なんだからそれでいいとは思うし、相手も「日本人だから」という外国人的な扱いはしてくれる。
— 東大博士号ママ✏️こども英語と知育 (@natsumi_shibata) May 10, 2023
でも悔しいものは悔しい。
第二言語習得の分野でも臨界期(理想的な発達が見込める年齢的な限界)についての調査は行われていますが、はっきりとした答えは出ていません。
ただ、中学生から英語学習を始めた私は、6歳の息子に既に抜かれている部分があるとお伝えすることができます。
何歳からでも本人の努力次第で外国語は身に付きます。
しかし、大人が必死に努力して得られた能力を、子供であるが故に容易く身に付けられることがあるのは事実です。
特に、子供のリスニング・スピーキング能力は高く、やはり大人から英語を勉強し始めた者には追い越せない部分があると言えそうです。
親でありプロである私からすると、残念でもあり、面白くもありますね!
英語に2000時間投資する価値|乳幼児期がやり易い
少なくとも2000時間を必要とする英語習得に、大切な時間を使う価値はあるのかという視点から考えてみたいと思います。
1日24時間という時間は、平等に与えられたものであり、また限りあるものです。
2000時間を他の能力を高めることに使うことも出来るでしょう。
日本語を母語とする私たちが、英語学習に長時間投資するメリットはどこにあるのでしょうか。
日常生活では英語の必要性は感じませんね。
英語ができることは社会的な評価を得られる
日本の社会において高い英語力をもつことは、社会的な評価が高いと言えます。
身近な例でいえば、高校・大学受験があります。
英語力の高さとは全く関係のない学科でも必ずと言って良い程、入学試験に含まれているのが英語です。
英語ができなくとも、他の科目の勉強はできますし、良い仕事をすることも可能なはずです。
それでも大学入学の条件として、英語力の高さが問われているのです。
将来的に就くであろう業種によっては、日本国内のみで完結できる仕事は少ないと言えるでしょう。
特に理系は英語が共通語として大きな役割を担っていると感じます。
特に知的・専門的な職業は当てはまりそうですね!
学校教育で1200時間を英語に費やす現実
日本の学校教育で行われる授業数は、英語を自分の言葉とするには不十分です。
しかし、小学校から高校生にかけて1200時間もの時間を英語学習に費やすというのが現実です。
授業時間数だけでは目に見える成果が期待できないという部分が、非常に残念です。
他の科目も大切なので致し方ないですね。
私がおすすめしたいのは、不足分の英語学習時間を自宅で補うことです。
学校で1200時間の英語学習を確約されている訳ですから、残りの必要時間を達成してしまうのが効率的です。
学校での英語授業時間が無駄にしない為にも、可能であれば、自由な時間の多い子供の時期に英語に触れる時間を作ることをおすすめします
コスパは年齢が若い方が良い
英語学習の開始は年齢が低いほど、本人が苦労を感じず英語を身に付けることができます。
3歳までに始めることができれば、
- 日本語と英語を同時に身に付けることができる
- (日本語を介さず)英語を身に付けられる
という特権が付いてきます。
日本語が強くなるので配慮が必要な部分もありますが、4歳以降でも英語は身に付きます。
年齢が低いほど英語を英語のまま理解することに抵抗を感じないため、母語のように自然に言葉が身に付くのです。
第二言語習得の分野では「直接法」と言われる学習方法です。
英語学習の目安である2000時間を長すぎると捉えるか、妥当だと捉えるかは個人差があるように思います。
しかし、乳幼児期から英語に触れ始め、2000時間を達成してしまうことで英語の基礎力がで
きると考えたらいかがでしょうか。
1歳は1日30分、2歳から5歳は1日1時間ちょっと英語に触れれば達成です。
幼児期にお勉強は必要なく、英語に触れながら遊ぶ時間です。
1日1時間ほど英語時間を作るだけで、子供が物心ついたころには、使える言葉として日本語に加えて英語も保持することができるのです。
本サイト「はむ先生の英語教室」では、子供の英語習得に関する情報をまとめています。
お役立て頂ければ嬉しく思います!