「英語を子どもに身につけさせたい」と考える保護者が、一度は検討してみたくなるのが英語で保育を行うプリスクール(プレスクール)ではないでしょうか。とはいえ、本当に必要なのか迷う方も少なくありません。
プリスクールには多くの魅力がありますが、通ったからといって必ずしも年齢相応に英語が身につくとは限りません。さらに、まだ幼い子どもの日本語を支えるフォローも欠かせないのが現実です。卒園後の進路を見据えながら、家庭の方針を明確にして選ぶことが大切だと考えます。
この記事では、幼児期に子どもが身につけたい言葉・社会・文化的な体験を踏まえて、家庭の方針を考える際のヒントをお伝えしていきます。
幼児期に大切なのは言葉だけではない
プリスクールでは英語環境に身を置けることが魅力ですが、幼児期に育つのは「言葉」だけではありません。
この時期は、初めて保護者から離れ、友達との関わり方や先生とのやりとり、集団での立ち振る舞いなど、「小さな社会」の中で学ぶことがたくさんあります。さらに、子どもにとって「自分の文化に触れること」も欠かせません。
日本の保育園や幼稚園に通えば、子ども同士の日本語でのやり取りはもちろん、端午の節句、七夕、芋ほりといった家庭ではなかなか体験しにくい季節の行事や日常の習慣を通して、自分たちの文化に触れる豊かな機会が得られるでしょう。
英語だけであれば自宅でも身に付く:おうち英語
「英語を身につけさせたい」という目的であれば、自宅で取り組む「おうち英語」という選択肢もあります。自宅でも、歌や絵本、アニメ、オンライン英会話などを日常に取り入れることで、子どもの耳を育て、英語に親しませることは十分可能です。
▷【プリなし】我が家のおうち英語の例は、こちら
一方で、自宅で英語に触れる時間を十分に確保するのが難しい場合には、プリスクールは魅力的な選択肢となります。1日5時間ほど英語環境で過ごすことになり、個人差はあるものの、自然に英語力を伸ばしていけるでしょう。
▷ プリスクールで期待できる英語力は、こちら
プリスクールの後の教育を見据える
プリスクールに通わせるかどうかを判断するときには、「その後どうするか」を考えることも大切です。
- 小学校以降もインターナショナルスクールに進むのか
- 日本の小学校に通い、日本語中心の環境に切り替えるのか
前者であればプリスクールの経験がそのまま活きますが、後者の場合は日本語とのバランスをどう取るかが課題になります。また、近い将来に海外での生活やインターナショナルスクールへの入学を検討しているのであれば、プリスクールでの経験はその準備段階として大きな意味を持つでしょう。
まとめ:家庭の方針を明確にしよう
プリスクールは、英語を生活の中で使える環境が得られるという大きな魅力がありますが、費用や時間の負担も少なくありません。大切なのは、子どもが幼児期に育むべき言葉や文化、そして卒園後の教育環境を含めて、家庭としてどのような方針を立てるかです。
プリスクール卒園時点での英語力を目指すのであれば、「おうち英語」でも十分に実現できます。保育園や幼稚園に何を求めるのかを見極め、家庭の考えをはっきりさせておくことが、後悔のない選択につながるでしょう。