オンライン英会話のレッスンを遠目で見ていると、子供は全く英語を話せていないようだ。
この状態で続けていて意味があるのだろうかという様な疑問をよく頂きます。
はじめまして!
英語講師の「はむ先生」と申します。
教歴は15年ほど。現在、大学の非常勤講師として働いています。
自宅でレッスンを受けることが多いオンライン英会話。
親御さんには通常見えることのないレッスン風景を目の当たりにすることとなります。
英会話レッスンなのに英語を話せていなければ、気になるのは当然です。
この記事では、
- オンライン英会話で全く話せない子供の原因と対処法
について書いていきたいと思います!
子供が全く話せない原因はオンライン英会話のせいではない
英語が口からでない場合は対面レッスンでも恐らく同じ
オンラインの英会話レッスンを近くで見ていて、子供が英語を話して(話せて)いないことに憤りを感じる親御さんは多いように思います。
習い事とというのは「できないことをできるようにする」ために通わせている訳ですから、当然の感情ですね。
特に自宅でレッスンを受けることが多いオンライン英会話の場合、約20~30分のレッスン風景を全て近くで見ることができます。
英語を話していないだけでなく、先生の指示を聞いていなかったり、画面からいなくなったり、親が怒りたくなるようなことが普通に起こるのです。
特に年齢が低い場合には。。
ただ、実際のところ、英会話教室でも同じようなことは起こっていると考えた方が良いでしょう。
息子の英会話を検討しているときに、(オンラインだけでなく)いくつか英会話教室を見学しましたが、どの教室にも1人は必ず「帰りたい」を体現している子供がいました。
活動に参加しない、先生に発話を促されても話さない、やる気のない態度を取る、などです。
良くも悪くも通学タイプの英会話教室の場合、親は子供を預けてしまうので見えていない部分があります。
そういう意味では、子供の気になる言動は多少大目に見ることも必要かもしれません。
言葉が口から出てくるまでには時間がかかることを理解する
「言葉を身に付けるには時間がかかる」という特性上、英語が口から出てこなくても致し方ない場合もあります。
これは、第二言語習得を専門に勉強してきた人であれば、誰もが理解しています。
母語、外国語に関わらず、言葉が自然に口から出てくる(いわゆる発話)までには、目安として2000時間くらいの英語接触時間が必要です。
つまり、人が言葉を話せるようになるまでにはものすごく長い時間がかかるのです。
2000時間は1日1時間で計算すると約5年半です。
意識的に学ぶことができない年齢の低い子供ほど、自然に言葉が習得されるのを待つ必要があります。
急かしても習得が早くなる訳ではないので、発話を強制するようなことはやめた方が無難です。
一方、子供の年齢が上がるほど、意識して英語を使ったり勉強したりすることができます。
言い換えると、子供の意欲が高ければ、早めに英語を話す姿を見ることができるかもしれません。
この辺りは、お子さんの年齢に合わせて判断したいところです。
いずれにしても、日本語と同様で、自分の伝えたいことを自分の言葉で自然に表現できるようになるには、長い英語接触時間が必要であることに変わりありません。
全く話せない子供にもオンライン英会話が良い理由
マンツーマンで密度が濃い
真っ新な状態で生まれてくる赤ちゃんは、一般的に母語である第一言語をお母さん・お父さんにたっぷり話しかけられることで身に付けます。
放っておいて勝手に言葉が身に付く訳ではありません。
この親子の対話に近い状況を再現できるのがマンツーマンの英会話レッスンです。
状況に合わせて個別に話しかけられることで、話しかけられた英語を自分事として子供は受け止めます。
状況によっては返答を求められることもあるでしょう。
どうにかして返事をしようとする姿勢がここで生まれるんですね!
グループレッスンに代表される集団に向かって話しかけられる言葉は、どこか他人行儀です。
子供はいつも集中して話を聞いている訳ではなく、周りを見ながら動いていることも良くあります。
個人に向かって話をされるマンツーマンは、良い意味で逃げられない英語環境を作ることができるのです。
レッスンの質(カリキュラム・教材)が良い
コロナ蔓延で世界規模でオンライン学習環境が整いました。
言い換えると、世界中にある質の良い教育を「日本にいながら」受けられるようになったと言えます。
正直なところ、日本の英語教育はうまくいっていません。
小学校から英語教育を始めるなどして試行錯誤しているものの、現状を垣間見ると英語教育が成功しているとは言い難いでしょう。
日本人の英語力、「話せる」に向けた工夫をhttps://t.co/EzplwpYuIf
— 産経ニュース (@Sankei_news) December 24, 2023
EFエデュケーション・ファーストが今年発表した英語を母国語としない国・地域についての「英語能力指数」ランキングで、日本は過去最低の87位。
日本の子ども達の英語力向上に貢献したいと考えているのは、私も含め、英語教育に関わる講師の願いだと思います。
しかし、現在ところ、海外の英語教育サービスの方が効果的なものを提供していると言わざる得ません。
お子さんの英語教育を考える場合、身近な英語教室の検討とみでなく、インターネットを通して世界に目を向けることで選択肢が広がります。
オンライン英会話は選択肢の1つですね!
先生を選ぶことができる
オンライン英会話のメリットの1つは、担当してもらう先生を自分で選べることです。
英語に限ったことではありませんが、子供の能力を伸ばす上で「実力のある先生」との出会いは欠かせません。
通学タイプの英会話スクールのほとんどは講師を選べず、曜日と時間で担当が決まっています。
どの先生にあたるかは運任せということです。
子供は相手に合わせられる大人とは違いますから、子供が「好き」と思える相性の良さも大切です。
大人とは違い「英語」という言語が好きな子供はいません。
大好きな先生と話したいから、英語を使おうとするのです!
▷ 【はむ先生おすすめ】マンツーマン英会話リストは、こちら
オンライン英会話で全く話せない子供への対処法
レッスン以外にも英語に触れる時間を作る
目に見える成果を出したいのであれば、何らかの形で「毎日」英語に触れる時間を作る必要があります。
そのやり方は、
- 放っておいても子供が取り組むことを探す
- 必要な勉強として毎日続ける
のどちらか(または両方)です。
現在6歳になった息子を例に挙げてみます。
最初の「放っておいても勝手に取り組むもの」は英語で見るYouTube動画です。
小学生に近づいた今、時間制限を設けなければどれだけでも見ています。
YouTube、良いような悪いようなですね…
必要な勉強として取り組ませているものは英語絵本の音読です。
絵本を読むことは嫌いではないようですが、親から言われないと取り組まないことの1つとなっています。
▷ こちらを利用中、タッチペンで音声再生可能なORTセット
ほんの5~10分程度の時間ですが、日々の取り組みが積み重なると実力となります。
毎日はできていませんが、気が付いた時にはやらせるようにしています。
冬休みなどは時間に余裕があるので習慣として取り入れます!
聞いて分かっているかを観察して見守る
「言葉を聞いて理解する」というのは、言葉を身に付けるための最初のステップです。
お子さんが赤ちゃんの時のことを思い出してみて下さい。
散歩している犬を指さして「わんちゃんがいるよ」と話しかけた経験をお持ちではないでしょうか。
話しかけられた子供は、あのモフモフして4本足で歩いている生き物が「わんちゃん」なのだなと思う訳です。
次に猫と出会ったときに「ねこちゃんだよ」と言われます。
同じモフモフの4本足の生き物は「わんちゃん」だと思っていたのだけれど、見た目が似ている「ねこちゃん」という生き物もいることを知るのです。
犬と猫は似ているが違うものらしいと認識し、少しずつ言葉が増えていくのです。
子供は外国語である英語も同じ順序で身に付けていきます。
英会話レッスンで「先生が何を言っているのか分からない」と子供が強く感じる場合には、
- 先生が話し過ぎている
- 教材のレベルが難しすぎる
- 教材自体が上手く作られていない
のどれかです。
幸いオンライン英会話は先生を選ぶことができるシステムを採用しているスクールが多いです。
ひと手間ありますが、入会金等も必要なく、簡単にスクールを変わることもできます。
お子さんに合わないと感じる場合には、スクールの変更を検討してみるのも1つの方法だと考えます。
外国語は意識して練習する必要があることを理解させる
何事もそうですが、楽しく遊んでいるだけで英語力がプロの領域に達することありません。
ある程度のレベルまでは「楽しい」お遊びで身に付きますが、そこからは努力がものをいいます。
この点は、子供がある程度大きくなったら(幼児は楽しいだけで良いです)しっかりと伝えていきたい点です。
これわかるなぁ、おうち英語を娯楽だけで進めると同じこと起きそうと思って適度に勉強的なことも入れてる https://t.co/pOGHkVMjwg
— hitagi🐈⬛キラキラおうちえいご (@mamemomimuu) December 23, 2023
こちらの投稿が参考になるかと思います。
現在の学校教育の流れも影響していると思うのですが、子供の英会話レッスンは楽しさを求められることが多いです。
確かに、子供が学ぶ上で「楽しい」と感じることは重要ですが、それは単にゲームをして遊んでいること、楽しく騒いでいることとは別次元のものです。
ある程度の英語力になれば、退屈だと感じる練習であったり、頭を抱える問題を解くことも必要になってきます。
つまり、英語を無意識で身に付ける「お遊び」から意識的に学ぶ「お勉強」への移行です。
高度な英語力の習得に必要な「学習」は誰しもが通る道であることを、機会を見て伝えると良いかもしれません。
何歳ぐらいからが適切かは、子供さんによりますね。
参考にしていただければ幸いです!