公文式に代表されるような、繰り返しを基本とするドリル学習。「子どもの英語学習にどう?」と疑問に思う保護者の方は少なくありません。
漢字や計算と同じように、コツコツ書いて覚える方法が英語にも効果的だと考えがちです。ですが、英語学習はゼロから言葉を習得する必要があるため、他の教科とは少し性質が異なります。特に小学校低学年や未就学児にとっては、まず「音声」から入ることが何より重要です。
この記事では、ドリル学習の役割や、子どもの英語学習を無理なく進めるために意識したいポイントを紹介します。
音声を耳で聞くことから始める
言葉を習得するうえで欠かせないのは「耳からのインプット」です。子どもは、まず音を聞いて意味を理解し、その後で言葉を口にするようになります。これは母語である日本語を身につけた流れと同じです。
英語学習も同じく、歌や絵本の音声、アニメなどを通して「耳でたっぷり聞くこと」からスタートするのが自然です。ドリルを使って問題を解いたり書いたりするよりも、まずは英語を聞き取る力を育てることが優先されます。
▷【年齢別】おすすめの始め方は、こちら
文字は補助的な位置づけ
文字の読み書きは、英語の音声がある程度理解できてから取り入れる方がスムーズです。音と意味のつながりがある状態で文字を見ると、「この音はこの文字なんだ」と理解が進みます。
一方、音声の基盤ができていないうちに文字ばかりに頼ると、単語を「音のない記号」として暗記してしまうことになりかねません。保護者の中には、スペルを覚えるために「sometimes=ソメティメス」といった無理な音を当てはめて記憶した経験がある方も多いのではないでしょうか。
言葉はあくまで音声があってこそ身につくものだということを意識しておきましょう。
中学校では読み書き中心になる
小学校までの英語は「聞く・話す」が中心ですが、中学校に入ると一気に「読む・書く」が重視されます。授業やテストは読み書きが中心となり、リスニングやスピーキングの比重はどうしても少なくなってしまいます。
だからこそ、その前の時期に「英語を聞き取れる耳」を育てておきたいところです。耳が育っていれば、中学校での英文読解もぐっと理解しやすくなります。中学校に向けて単語の書き取りを練習するなら、小学校5・6年生になってからで十分でしょう。
▷ 高学年からの公文式はおすすめ、こちら
まとめ:耳を育てることが第一歩
子どもの英語学習では、いきなりドリルに取り組むのではなく、まず「耳を育てること」から始めましょう。日常の中で音声に触れ、楽しく英語を聞き取る力を積み重ねることが、将来の読み書き学習の大きな支えになります。
中学入学に向けた備えや試験対策として、ドリル学習は役立ちます。時期がきたら、補助的に取り入れれば十分です。まずは焦らず、英語を「音から」楽しむ習慣を育てていきましょう。