小学生が英検を受けることに意味はないのでしょうか?
私は小学生の英検受験は使い方次第で、良くも悪くも、お子さんのその後に影響すると考えています。
はじめまして!
英語講師の「はむ先生」と申します。教歴は15年ほど。
現在、大学の非常勤講師として働いています。
英検は上手な使い方をすることで、お子さんの英語力を高めるだけでなく、自己肯定感を高めてくれるでしょう。
逆に英検の結果だけを求めすぎることは、小学生のお子さんのやる気を削ぐことになり兼ねないため注意が必要です。
この記事では、
意味ある英検受験にするために心掛けたいこと
について書いていきたいと思います。
小学生の英検は意味ないの?
小学生の英検取得には意味がないのでしょうか?
「意味がある」というのは、英検を合格すること(または合格を目指して勉強すること)で得られるメリットがある状態を指すのだと思います。
個人的な考えでは、総合的な実力を伴った英検合格であれば意味があるのではないかと考えます。
詳しく見ていきます!
英検はあくまで実力を把握するための試験
私は小学生から英語を始めたいお子さんが単語帳や問題集を開き、前倒し学習の意図で英検対策をすることにあまり意味を感じません。
親御さんが中高生のときに取り組んできたような学習方法で英語の勉強をスタートすることは避けた方が良いように思います。
英語ゼロの段階から、大文字小文字の練習やフォニックス、基本的な文法を固めることをすっ飛ばし、定期テストを考慮に入れつつ今のモリモリに盛られた中1英語のカリキュラムについていくのは、元々言語能力に長けていない限り上位層の生徒であってもなかなか厳しい。
— りんごくん@慧真館 (@keishinkan) November 15, 2024
同じ英検を主軸にしていても、試験対策だけでなく、本当の英語力を身に付けられる学習方法は他にあります。
また、コロナ蔓延を経て、非常に質の高いオンライン英会話スクールを利用できるようになりました。
オンラインというとハードルが高いと感じられる方もいるかもしれませんが、活用しない理由はないように思います。
▷ 目的別|本当の実力が付く1対1英会話、こちら
一方、幼い頃から英語に取り組んできて日常会話はできるという状態であるなら英検は価値ある経験になるように思います。
既に身に付いている英語の基礎力を活かし、英検の問題を通して英文法を定着させたり、読解を通して語彙を増やすことができると考えられるからです。
特に英検3級くらいから取り扱われるトピックは、日常生活であまり出会わない語彙を必要とされます。
英検の合格を目指す過程で、お子さんの英語力をブラッシュアップできるはずです。
資格という周囲にも分かりやすい指標を得ることで、子供自身も自分の英語力に社会的な価値をもつことを知るきっかけになるようにも思います。
英検3級くらいから、人物なども扱われるようになります。
合格できるレベルの英語を話せることが前提
小学生の英検は、合格を目指すレベルの英語力がきちんと身に付いているかを基準に考えていくと良いと思います。
具体的には、英検4級で扱われている文法問題が解けて、文章が読めるだけでなく、同じレベルで会話ができるということです。
また、英検は6割程度正解していれば合格できますので、合格したから実力が付いているとも限らないと言えます。
従って、親御さんは合否のみでなく、結果を冷静に分析した方が良いですね。
どんどん上のレベルを目指すのではなく、小学生のうちは聞いて理解でき、実際に使える言葉を増やすことを中心に考えることをおすすめします。
小学生の得意を活かしましょう!
小学生の英検は意味ないと言われる理由
小学生の英検に意味がないと言われる理由は、
- 社会的に価値があるとされる英検レベルと小学生が無理なく取得できる英検レベルに隔たりがあるから
だと思います。
また、英検を合格するために求められる能力は、子供の年齢が上がるほど得意となることも一因となっているでしょう。
試験時間の長さだけでも、小学生には大変ですね!
社会的に価値があるとされる英検のレベルとの乖離
小学生が英検を取得しているとなれば、確かに「すごい」ことではあります。
しかし、社会的に価値があるとされるのは英検準1級からです。
小学生にしてはすごいというだけなので、意味がないと言われても仕方がないのかもしれません。
「英検準1級は簡単に取れる」言われる方が少なからずなので、ここで整理をさせて下さい。
— 米原幸大 (@shin_eikai) March 19, 2024
1. 英検準1級レベル越えは、文科省が定めた「英語の先生の到達目標ライン」です。「生徒の到達目標ライン」ではありません。
2.…
小学生のうちに準1級を目指そうとすることは、一般的には難しいと言えるでしょう。
英語力の問題だけでなく、試験の内容も小学生に馴染みのないトピックが多いためです。
中学生スタートのお子さんと比較するから
中学生になり本格的な英語授業が始まります。
小学生のときには特に何も取り組んでいなかったお子さんも、英語の勉強に力を入れ始めることでしょう。
そこで起こることは、小学生から英語を始めたのに思うような結果を残せないというものです。
小学生での英語学習経験に関わらず、勉強の仕方を知っているお子さんは、毎日ある英語授業を通して英語力を高めていきます。
特に記憶したり、論理的に考えたりする力は、中学生のお子さんの方が得意なので、英検も順調に取得していくことができるでしょう。
小学生から英語を始めていても、後から始めた場合と変わらない(または抜かれる)というのはよく耳にする話です。
言い換えると、中学生になってからでは伸ばしにくい、英語を「聞く・話す」力を小学生で高められると良いと思います。
英検などの試験で計れる能力は差が付きにくいですね。
小学生には意味ないと言われる英検をどう使う?
小学生には意味がないと言われがちな英検ですが、どのように利用するのが良いのでしょうか。
正解はないと思いますが、少し考えてみました。
私にも小学1年の息子がいますが、無理のない範囲で活用していきたいと考えています。
参考にしていただければ嬉しいです!
成功体験となるような試験の使い方が理想
特に理由がない限り、英検のための勉強は最小限で良いと考えています。
先にお伝えしたように、紙とえんぴつのお勉強は小学校高学年、中学生になってからの方が向いています。
小学生の英語学習はできる限り、
- 英語を聞いて理解できる▷年齢相応に話せる
ことに焦点を当てることをおすすめします。
それには、英文法もざっくり理解できるようカリキュラムされている英会話スクールが効果的です。
私のおすすめはオンライン英会話Novakid(ノバキッド)で、息子もお世話になっています。
▷【動画あり】レッスンの様子は、こちら
質の良い練られたカリキュラムに基づいたレッスンを受けていれば、英検4・5級は特に対策なくとも受かると感じます。
英検3級からはライティングが入るので、対策が必要です。
合格目指して取り組むことは素晴らしい
英検を新しい語彙や表現に出会う機会として捉えて、積極的に取り組むことは良い学びのチャンスになると思います。
例えば、英検3級レベルの問題集(旺文社)には「クレジットカードの始まり」とか「野球帽の歴史」などの文章が載っています。
これらは、日常では出会うことのないトピックだと言えるでしょう。
英検の問題集でなくても良いのですが、英語の難易度が調整された問題集を使うことは、語彙や表現を増やすチャンスだと捉えることができます。
あえて機会を作らないと言葉数は増えませんね。
我が家も含め、一般的な公立小学校に通っている場合、学校生活の中で英語に触れることはほぼないでしょう。
息子の学校は小学3年生まで英語授業はゼロ時間です。
そのような環境の中でアカデミックな語彙を増やすために英検を活用することは効果的ではないでしょうか。
参考にしていただければ嬉しいです!