小学生が英語のスペルを覚えるにはどうすればよいのでしょうか。
小学生になると、日本語でも文字を読む・書く練習が始まりますね。
はじめまして!
英語講師の「はむ先生」と申します。
教歴は15年ほど。現在、大学の非常勤講師として働いています。
英語と日本語の違うところは、日本語は「話せる言葉」を読み書きできるように練習するという点です。
つまり、英語スペルを書けるようにするには、意味が分かり発音できる英語の言葉をまず増やすことから始める必要があります。
英語の教材には音源が必ず付いているので、音声をしっかりと聞いて取り組むことが重要です。
この記事では、
小学生の英語スペルの覚え方・おすすめ教材
について書いていきたいと思います。
小学生の英語スペルの覚え方は3ステップ
小学生の英語スペルの覚え方は、
- 音声を聞いて意味をイメージできる言葉の数を増やす
- 正確に発音できるようになる
ことから始めます。
一方で、小学生にとって、英語のスペル自体を覚えることは優先事項ではありません
理解できる語彙の数が増えてからスペルを覚える段階に入るのが自然な流れですので、焦らずコツコツ取り組むことが必要です。
お子さんが高学年の場合には、スペルの暗記まで同時進行でいきましょう!
Step1:言葉を聞いてイメージできる
英語のスペルを練習する前に、
- 音声を聞いた時に意味をイメージできること
はとても大切です。
例えば、a brown bear, a blue bird, a green lizard と音声を聞いて、頭の中に絵(イメージ)が浮かばなくてはなりません。
英語のスペルを暗記しても、音声から言葉をイメージできなければ記号を丸暗記しているのと同じだからです。
このときに、英単語と日本語訳を結び付けて覚えることは避けた方が良いです。
親御さん世代が使った単語帳はやめましょう。
a brown bearを覚えるのに「茶色い熊」と覚える必要はなく、お子さんが描いた熊の絵を茶色にぬることで十分代用できます。
英語音声をイメージとを結び付けて言葉を増やせる教材を使いながら、まずは語彙を増やしていきます。
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Step2:文字を見て正しく読める
英単語を正確に読めないのに、その単語が書けることは通常では起こりません。
つまり、文字を見て正確に発音できるようになることはとても重要です。
「自分の知っているhouse(音声)は、文字にするとhouseと書くらしい」という順で、少しずつ聞いて分かるだけでなく、文字を見て読んで分かる単語を増やしていきます。
意味が理解できていることも確認しながら行います。
日本語でも同じで、基本的に読めない文字(ひらがな・カタカナ・漢字)は書けないはずです。
文字を丸暗記して覚えてしまえば可能かもしれませんが、根性で覚えるには限界があります。
ある英単語(スペル)を見て、自分の知っている言葉と文字を結び付けて意味をイメージできるようになるには訓練が必要です。
コツコツと取り組んでいきましょう!
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Step3:スペルを書けるように練習する
聞いて理解できる、文字を読んで分かる英語の言葉が増えたら、あとは実際に手で書けるようにしていく練習です。
日本人でも漢字を覚えていくことは大変なことですから、英語圏の子ども達もスペルを覚えるのは決して簡単なことではありません。
地味にコツコツ覚えるしかないという側面はありますが、
- 意味を知っている言葉であること
- 読める文字であること
によって、英語スペルを覚えるハードルが下がることは間違いありません。
スペル練習の必要性は、英語圏のお子さんも同じです。
小学生が英語スペルを覚えられる教材は?
小学生が英語スペルを練習できる教材を紹介したいと思います。
スペルの暗記だけであれば、ノートに何度も書くなどして機械的に練習すればよいと思いますが、せっかくなので総合的な英語力を伸ばすことができるものが良いですね。
- 英語圏の子ども達が使う教材
- 英語学習者用の教材
の2種類があるので、お子さんの英語力に合ったものを選んでみてください。
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簡単な日常会話ができるお子さんには現地教材
自宅での英語の取り組みや、英会話スクールの利用などで、日常会話レベルの英語を使えるお子さんには、英語圏の子ども達が利用している教材を使うことをおすすめします。
解説なども全て英語でされているので、リーディングの練習にもなります。
小学1年生レベルから6年生レベルまで用意されている、100 Words Kids Need to Readのシリーズがおすすめです。
タイトルにあるように各学年のお子さんが読むために知っておきたい言葉を100語練習することができます。
カラー印刷で1枚があっという間に終わる分量でできていますが、250ページを超えるボリュームがあります。
サクサク終わらせることができるので、幼いお子さんが毎日少しずつ取り組むのに向いています。
240 Vocabulary Words Kids Need to Knowのシリーズも良いでしょう。
こちらの方が語彙数も多く、カラー印刷でもなく、お勉強感が強めのワークブックです。
一方、内容はうまくまとまっており、77ページとコンパクトにまとまっていて使いやすいです。
上のシリーズと同じように、小学1年生から6年生まで用意されているので順番に取り組むことができます。
余裕があれば、両方取り組んでもいいですね!
小学生からスタートしたお子さんには学習用の教材
小学生から英語学習をスタートしたお子さんには、英語学習者用の教材を使うことをおすすめします。
先に述べたように、聞いて分かる、読める英語の語彙をコツコツと増やしていく必要はありますが、小学生は日本語で考える力が育っているので同時進行でスペルを覚えることもできます。
お子さんの年齢が上がるほど(良くも悪くも)お勉強の要素が強くなる英語学習ですが、机の上の勉強ができることは強みになると言えるでしょう。
本人の学習意欲が高ければ、幼児期から取り組んできたお子さんと肩を並べることも、それ以上の成果を出すことも可能です。
小学生で英語スペルを覚えられなくても大丈夫
親御さん世代の英語教育では、学習初期段階から英語を書くことを求められていたこともあり、お子さんが英語スペルを覚えられないことに不安を覚えるかもしれません。
しかし、単語を文字で書ける能力は英語力のほんの一部であり、また年齢が上がるほど得意となる能力です。
小学校の英語授業では英語スペルを問う試験がないように、まずは英語を聞いて分かる、正確に発音できることの方が大切です。
英語スペルが苦手でもあまり焦らず、お子さんの英語学習を長期的にサポートしていけると良いと思います。
得意なことから伸ばすと良いですよ!
スペルを書けなくても英語力は高められる
文字の読み書きは学校生活で欠かせない要素であるため、英語のスペルを覚えられなかったり、苦手だったりすると親御さんは焦りを覚えるかもしれません。
しかし、ぶっちゃけた話、スペルが書けなくても英語は話せるようになります。
幼児期の子ども達が文字の読み書きができなくとも流暢に言葉を話すように、大人も日常会話に困らないくらいの英語力(学校の英語授業で求められる英語レベル)は身に付くのです。
特に小学生のうちは、お子さんが文字が苦手そうだなと感じたら、得意な方法で英語力を高めることをお勧めします。
文字を読む(書く)ことが苦手な場合、その分、音声を聞き取る耳が良いことも多いです。
聞き取り能力の優れているお子さんには、英語スペルの練習はひとまず置いておいて、音声からどんどん英語力を高めていく方が効率が良いと思います。
私自身、文字が苦手な子どもでした。
長期的な目標を立てて英語力を高める
何事もできないよりもできた方が良いので、お子さんに全てを求めがちです。
一方、子供は成長過程にいて、1年後には自然にできるようになっていることも多いです。
長期的な目標をしっかりと意識することで、お子さんの「今」できないこともあまり気にならなくなるでしょう。
他の能力が伸びることで、できるようになることもありますね!
母語・外国語のどちらも、言葉が身に付くまでには相応な時間を要します。
どんなに優秀なお子さんでも、2000時間以上は必要です。
単純計算で1日1時間取り組んでも、約5年半かかります。
英語のスペルを書ける能力を高めること以外にもやれる取り組みは山ほどあります。
お子さんが英語を書くことに行き詰っているようなら、「英語スペルの練習をすべき時は今なのか」を再度検討してみるのも良いでしょう。
参考にしていただければ幸いです!