幼児期から英語を始めているご家庭は、特別な事情がない限り、親の意向であることがほとんどです。
そんな中、子供が幼児の地点で英語が嫌いになってしまったらどうしたら良いのでしょうか。
はじめまして!
英語講師の「はむ先生」と申します。
教歴は15年ほど。現在、大学の非常勤講師として働いています。
英語に限った話ではなく、人は何も理由がないのに突然何かを嫌いになることはないはずで、それは幼い子供も同じです。
この記事では、
- 子供が幼児期に英語が嫌いになってしまった場合の対処法
について書いていきたいと思います。
幼児で英語が嫌いになった経緯を知る
英会話スクールに顔を出してみると、少なからず「英語が嫌い」を前面に出している子供に出会います。
息子の体験レッスンで何校かグループレッスンを見学しましたが、必ず一人はいるのです。
講師としてどうにかしなければならない(した方が良い)と思うでしょうけれど、レッスンを進めなければいけない立場上、どうにもならないのだろうなと感じます。
なぜなら、英会話スクールや塾というのは能力を高めたい人が通うことが前提だからです。
つまり、英語嫌いの根本的な対策は(外部に頼らず)親御さんが対処することが近道だと思います。
詳しく見ていきましょう!
英語を無理に強制していないかを振り返る
どうにかする方法を考える際に、まずは親御さん自身の振る舞いを振り返ることは必要だと思います。
人間は自分で自分の行動を決定したときに、最もやる気が高まります。
逆に他人から強制されると、やる気が低まります。
これは理論でも証明されており、その他、周囲からのサポートや有能感(自分には能力があるという実感)によって意欲的に取り組むことができます。
心理学の分野で有名な理論です
とはいえ、私も人の親ですので、理論通りにいかないことは重々承知です。
子供の態度を見ていて腹が立つことは常にありますし、子育てって本当に難しいと感じます。
親が知る範囲外でのネガティブな経験がないか尋ねる
その他、子供が英語に関連する嫌な思いをするような体験をしていないかは確認しておきたいところです。
英会話スクールでの体験はもちろんですが、現代は多くの幼稚園・保育園でも英語が取り入れられています。
英語に直接関わりがなくても、英語の時間に本人にとって何か嫌なことがある(あった)のかもしれません。
評価することなく、本人の気持ちを聞いてあげるといいですね
私自身の遠い記憶なのですが、園児のときに英会話の体験レッスンに行ったことがありました。(当時の私は?)おとなしめで、意見の言えない、自己主張ができないタイプの子どもでした。
よく分からないまま連れていかれた体験レッスンで、椅子取りゲームをさせられ、最後まで椅子が取れずに泣いた、、、という記憶があります。そして「絶対に英会話になんか行かない」と親に伝えました。
これは英語に全く関係ないところで、英語はイヤとなった典型例でしょう。結局、私は中学生スタートなので、やらせておいて欲しかったような気もしますが、後の祭りですね。
幼児で英語が嫌いになった場合の対策
理由はどうあれ、この記事を読まれている親御さんは早くから英語を生活に取り入れようとされる教育熱心さをお持ちなはずです。
子供が英語を嫌いになってしまった場合、どうすればよいものかと悩まれると思います。
私の提案は、
- 手を変え品を変えできる限り続ける
- タイミングのよい時期まで待ち再開する
こと(のどちらか)が良いのではないかと思います。
状況を的確に判断したいですね!
英語に限らず言葉は0歳から始めたとしても止めてしまえば、その地点から消えていってしまいます。
少なくとも読み書きができるところ(小学4年生)まで続けることで、はじめて自分の言葉として保持することができるのです。
環境・やり方を変えて続ける
言葉を身に付けるにはとにかく時間がかかります。
ですから、せっかく英語を始めたのであれば続けて欲しいというのが、英語講師としての私の願いです。
その点は、親御さんも同じ気持ちかと思います。
しかし、お子さんは嫌だと言っている訳ですから、その気持ちは無視できません。
本人の意欲なしに身に付けられる能力はたかが知れています。
子供自身が楽しいと思うからこそ、多くを身に付けることができます
今は英語を習うといっても多くの選択肢があり、子供の性格やタイプに合わせて学び方を選べる時代です。
- 通学タイプの英会話スクール
- オンライン英会話
- 自宅で取り組むおうち英語
など、やり方は1つではありません。
あるやり方でうまくいかなかったからといって、やめてしまうのは時期早々だと思います。
親御さんには粘り強さが必要です。
子供のイヤはどこから来ているのかを話し合い、子供と一緒に考えていくことも方法の1つです。
別の環境に身を置いたり、新しい先生に出会うことで、子供の気持ちも変わるかもしません。
個人的におすすめな方法は、個々の子供に寄り添ってくれるマンツーマン英会話です。
▷ おすすめの英会話スクール一覧は、こちら
▷ はむ先生の個別相談も、どうぞ
小学校4年生まで待つ
幼いときから始める英会話のメリットは意識的なお勉強をする必要なく、自然に言葉を身に付けられることです。
しかし、それには何千時間もの英語接触が必要とされ、本人が拒否している状態では難しいのが現状です。
ご興味があれば、こちらの図をご覧下さい▽
学習者の年齢によって第二言語習熟度の伸びの軌跡が異なる(画像上段)という点に興味がある方は,日本言語学会で三浦さんが発表した英語スピーキング課題における発話量と総英語接触時間の関係(画像下段)も参考になるかもしれません.
— 尾島司郎@早稲田大学教授 英語で戦う日本人の育成 (Shiro Ojima, Waseda U) (@Shiro_OJIMA) November 8, 2023
動画URLhttps://t.co/9Csqf36DqQ pic.twitter.com/xUx9leCKgn
上の研究では、パフォーマンスの良かった上位群(青線)は、9歳頃までに英語5000時間を達成していました。
9歳までに5000時間を達成しようと思うと、0歳から英語に触れる時間を毎日1.5時間持つ計算です。
2歳スタートで毎日2時間でも良いのですが、結果を出すには量をこなす必要があることは間違いなさそうです。
5000時間の達成は、色々なことがうまく回らないと難しいですね
一方、中学生頃から始めた後発群(赤線)は、数百時間の学習で英語力を高めていることが分かります。
年齢が上がることで相対的な知能が上がり意識的な勉強ができることから、同じ成果を短期間で出すことができるのです。
意識的な「お勉強」が必要なので、本人のやる気に左右されるのですが、面白い研究結果だと思います。
ここから分かることは、幼い頃の様に無意識で英語を身に付けられない代わりに、英語学習開始年齢が年齢が遅くなっても高い英語力は身に付くということです。
※ 恐らく伸ばせる言葉の方向性(スピーキングに強い、リーディングに強いなど)は幼児期スタートとは異なると思いますが、いずれにせよTOEIC満点近くの英語力を身に付けることは中学生からでも可能です。
小学校4年生頃になれば、意識的な勉強ができる年齢になっていきます。
どうしても続けられ無さそうであれば、小学生スタートでも英語は身に付くので心配することはないと言えるでしょう。
何もなければ幼児で英語が嫌いになったりしない
子供が自然に言葉を文章で話すまでには、英語に長く接することが必要です。
単語であればもう少し早く口にすると思いますが、おおよそ2000時間はかかると言われています。
毎日1時間で計算した場合、約5年半になります
この時間に達するには、子供が英語を楽しめる環境を用意することが近道です。
英語は言葉ですから、子供の興味のありそうな事柄と英語を関連させることができます。
息子は工作が好きなので、英語で話されている工作のYouTube動画を活用することなどが挙げられます。
子供は日々成長しますので、その時々の興味に合わせ変化を持たせることが楽しく継続できるコツになります。
親は楽しく続けられることに知恵を絞る
子供は楽しいことに夢中になり、楽しいと感じることで多くを学びます。
私が息子の英語教育で楽しさにこだわる理由は、私自身が泣きながら勉強させられていた過去を持つからです。
私の親は教育熱心(いわゆる教育ママ)で、時代的なものもあり、かなり厳しくしつけられていました。
それがとても嫌だったという記憶と、やらされることの学習効果の薄さを身をもって感じるので、息子には違うアプローチをしようと試みています。
結局このシンプルな流れが大事なんだよなぁって最近思います pic.twitter.com/6R9X3cskch
— 子育て勉強会TERU/幼児教育講師/子育ての引き出しpj主催者 (@TERUkyoiku) November 8, 2023
子育てに正解がないように、英語教育にも絶対というものはありません。
しかし、長期的な継続を必要とする取り組みは、子供の自主性を重んじることが軌道に乗せるコツなのではないかと思っています。
英語をやる・やらないの選択肢を与えるのではありません。
日本語をやる・やらないという論争はないように、英語を身に付ける1つの言葉として位置づけます。
それを前提としてどうしたら楽しい英語時間になるかを一緒に考える中で、子供に積極的に選ばせてあげると良いかもしれません。
こんなの見つけたよ!という感じですね
情報は色々なところに転がっている
現在の英語教育と親世代のそれと大きく異なる点は、インターネット環境の充実にあります。
全員がスマートフォンを持つことが当たり前となり、誰しもがネットにある情報を手に入れることができる様になりました。
インターネットで手に入れられる情報に国境はありません。
英語は世界中で学ばれている言語であり、有料・無料の教材があふれているのです。
▷ 無料教材の一例は、こちら
それを自ら探しに行くことは難しくとも、そういう情報を提供しているサイトも増えてきました。
はむ先生のおうち英語教室もその1つです。
自分の子供の性格を熟知していて、何に興味があるのかを知っているのは親御さんだけです。
お子さんに合うカスタムメイドの英語教育をぜひ考えてみて下さいね!
個別相談も随時受付ます。お気軽にご相談ください!