「うちの子やらないんです」
「言ってもやらないから」
「子どもが嫌がるんです」
おうち英語をしていると、そんな保護者の声を聞くこともあります。その前提として、英語を続けられる=子どもが英語を嫌がらない、好きでやっている、という考えがあるように思います。
子どもが「イヤだ」と言うこと自体は、珍しいことではありません。
それは「英語が嫌い」というより、「今のやり方が合っていない」「今日は気分がのらない」というサインであることも多いものです。
大切なのは、嫌がったからやめることではなく、続ける前提で量や方法を調整することだと考えています。おうち英語は、気分任せでやるものでも、我慢だけで続けるものでもなく、家庭ごとに「続けられる形」を探していくものではないでしょうか。
身につくかどうかは、取り組んだ量で決まる
これは私個人の考え方ではありますが、親が子どもの将来に必要だと考える「すべきこと」は、子どもの好き嫌いに関係なく、育児の中に取り込めばよいと考えています。
子どもが小学生になった今のわが家では、国語・算数・英語を含めて、完全に日々やるべきことという位置づけです。そこに「今日はやりたい気分かどうか」「好きかどうか」は、基本的に関係ありません。
英語を「すべきこと」に含めるかどうかは、家庭の方針次第です。
もちろん、子どもの能力を超えることはできませんし、負担が大きすぎる場合には量を減らしたり、方法を変えたりする必要はあるでしょう。ただ、どれも積み重ねなければ身につかないという点は、英語に限らず共通しているように思います。
特に言語である「英語」ができるようになるかどうかは、才能やセンスよりも、どれだけの量に触れてきたかで決まります。つまり、環境を活用した「積み重ね」によって身に付けることができるので日々の取り組みが大切なのです。
「いつの間にかできるようになった」は、たまたま起きた結果
「うちの子は言ってもやらない」という声を聞くことがあります。けれど、ここで一度立ち止まって考えてみたいのは、「言われずにやる」「言われれば(素直に?)やる」ことの方が、実は例外的だという点です。
子どもが率先して、または親がさほど苦労することなく、「親の期待している行動」をとっているとしたら、それは偶然起きた、幸運なケースでしょう。
英語に限らず、特に定着するまでに繰り返しが必要な勉強や練習が「言われなくてもできるようになる」までには、多くの場合、「言われながら取り組む」期間があるものです。
- 声をかけられてやる
- 決まった時間に促されてやる
- 親と一緒に進める
こうした積み重ねの中で、少しずつ「自分でやる」段階に移っていくのが一般的です。
「言われなくても自ら行動できる」ことを最初から子どもが生まれもった能力や性格だと考えてしまうと、「言ってもやらない」時期を、向いていない、続かない、能力がないと判断してしまいがちです。
けれど実際には、言われてやる時期を通っていないのに、自然にできるようになることのほうが、たまたま起きた結果のように思います。ものごとの学び方や考え方は、後天的に身につけられます。
つまり、親が子に、育児を通して日々の生活の中で伝えられるものなのです。
大学英語講師はむ先生専門用語で、自己調整学習と呼ばれています
勝手にできるようにならない前提で考えることが、親の役割
「勉強は、子どもが必要だと感じたらやればいい」そう判断するのも、一つの考え方だと思います。
けれど一方で、「うちの子は、言ってもやらないから」という理由で、何も進まないままになっているとしたら、それは子どもの問題というより、大人側の判断の問題のように感じます。
どんな子どもでも、最初から自分の意思だけで勉強や練習を継続できることは、ほとんどありません。多くの場合、身近な大人によって上手にお膳立てされているものです。
英語に限らず、「取り組む」状態をつくるのは、子ども本人ではなく親の役割です。
- 時間を決める
- 量を決める
- やるかどうかを子ども任せにしない
- 取り組むことの価値を伝える
- 取り組みを支援する
こうした枠組みがあって、はじめて意図した学びは動き出します。
学びを主導する立場にある親は「言ってもやらない」と立ち止まっているのではなく、「言ってもやらない」前提で余裕をもって動くのです。
できない前提で考えるというのは、子どもに期待しないという意味ではありません。
- 自然には身につかない
- 環境がなければ動かない
- 一筋縄では続けられない
この現実を受け止めたうえで、「それでもどう進めるか」を考えることです。
子どもが嫌がるかどうか、素直にやるかどうかは、二の次です。まずは、やるか・やらないかを迷わせない「当然やるもの」という環境をつくることのように思います。
まとめ:おうち英語は親が主導するもの
おうち英語を続けられるかどうかは、子どもが嫌がらないかどうかで左右されるものではないように思います。英語が身につくかどうかは、どれだけの量に触れてきたかで決まります。
英語の取り組みで「親が言わなくてもできる」ことがあるとすれば、それはたまたま起きた結果です。多くの場合、言われながら取り組む時期を通って、少しずつ「自分でやる」段階に進んでいきます。
だからこそ、子どもがやる状態や環境をつくることを、親が引き受けることが大切です。それが、おうち英語を続けていくための基本だと思っています。

