小学生は英語を習うべきか?正しくやれば大きな差が付く

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「小学生のうちから英語を習ったほうがいいですか?」

おうち英語について発信していると、よく聞かれる質問です。

結論から言えば、私は小学生のうちに英語を習うことには、メリットがあると考えています

ただし、何をやってもいいわけではありません。

大切なのは、「小学生という時期に合ったやり方」で英語に触れることです。

大学英語講師はむ先生

英語講師の「はむ先生(村上里実)」です。教歴は15年、大学で非常勤講師を務め、第二言語習得を専門としています。

「小学生に英語なんて早すぎる」「いや、早く始めたほうが有利」といった、どちらの意見もよく聞きます。

でも、この議論は少し噛み合っていないように感じます。

というのも、「英語を習う」の中身が人によってまったく違うからです。

同じ「小学生から英語」でも、やっていることが違えば、得られるものも変わります

この記事では、なぜ小学生の英語について意見が分かれるのかを整理しながら、

  • 小学生から始めるメリット
  • 逆に無理に習わなくてもよいケース
  • そして「小学生でやらなかったら後から困るのか」

というところまで、私なりに考えてみたいと思います。

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小学生が英語を習うべきか、意見が分かれる理由

小学校の英語授業は、多くても週2回

まず、小学校では実際にどのくらい英語に触れているのでしょうか。

現在の学習指導要領では、3・4年生が「外国語活動」で年間35単位時間、5・6年生が「外国語科」で年間70単位時間です。

1単位時間は45分なので、おおまかに考えると、

  • 3・4年生は週1回
  • 5・6年生は週2回

多い学年でも週2回ということになります。

3年生から6年生までの4年間をすべて合わせると210単位時間。

実際の時間にすると、およそ157時間です

「小学校で4年間英語を習う」と聞くと長く感じますが、英語に触れている時間そのものを見ると、実はそれほど多くありません。

授業で得られる成果は多くないように見える

157時間と聞くと、それなりの時間に感じるかもしれません。

でも、これは4年間を全部合わせた数字です。

しかも、小学校の英語では、歌やゲーム、あいさつや簡単なやり取りなど、まず英語に親しむことが大切にされています。

これはこれで、とても意味のあることだと思います。

ただ、週1〜2回の授業だけで、英語で自由に会話できるところまで進むのは不可能でしょう

すると保護者から見ると、「4年間も英語をやったのに、話せるようになっていない」と感じます。

そこから、

「小学校英語には意味がない」
「だったら中学生から始めても同じでは?」

という意見が出てきます。

一方で、「学校だけでは時間が足りないなら、家庭でも英語をやったほうがいい」と考えるご家庭もあります。

同じ小学校英語を見ているのに、結論が正反対になるようです。

私は、この議論の分かれ目は「何歳から始めるか」だけではないと思っています。

それよりも大きいのは、英語を身につけるために必要な時間を、いつ、どこで確保するかです。

小学生が英語を習うべき|3つのメリット

子供ほど言葉を聞き取る能力が高い

小学生から英語を始めるメリットとして、まず挙げたいのが「音」です。

赤ちゃんは、生まれたときにはさまざまな言語の音を聞き分ける力を持っています。

そこから、普段使っている言語をたくさん聞きながら、その言語に必要な音へと聞き取り方が調整されていきます。

日本語にはない英語の音を、大人になってから聞き分けるのが難しくなるのも、そのためです。

小学生は大人になってから英語を始めるよりも、英語の音をそのまま受け取りやすい時期だと言えます。

この時期に、

  • 英語の動画を見る
  • 音声付きの絵本を読む
  • 英会話で英語を聞く

といった経験をたくさん重ねておくと、英語を(日本語に置き換えることなく)英語のまま受け取る感覚が育ちやすくなります。

そして、この「音が入っている」という状態は、その後の英語学習をかなり助けてくれます

語彙や文法は、大人になってからでもかなり学べます。

一方で、音の感覚は後から身につけようとすると時間がかかります。

せっかく小学生から英語を始めるのであれば、私はまず、この時期だからこそ育てやすい「耳」を大切にしてほしいと思っています。

中学生以降、年齢が上がるほど忙しい

もう一つ、とても大きいのが時間です。

これは本当に単純な話なのですが、中学生になると忙しくなります。

部活が始まり、定期テストがあり、そのうち高校受験も見えてきます。

数学も理科も社会も難しくなります。

その中で、英語だけに毎日まとまった時間を使うのは、だんだん難しくなります

一方、小学生のうちは比較的自由に使える時間があります。

しかも、まだ英語を「テストのために勉強する」必要がありません。

  • 好きな英語の動画を見る
  • 面白そうな絵本を読む
  • オンライン英会話で先生と話す

そんなふうに、小学生は「楽しいから続ける」という形で英語に触れやすい時期です。

私は、この時間はかなり貴重だと思っています。

中学生になってから英語を始めても、もちろん間に合います。

でも、小学生のときのように、英語だけにゆっくり時間を使える環境をつくるのは、年齢が上がるほど難しくなります。

同じ1時間でも、小学生の1時間と中学生の1時間では、確保しやすさが違うでしょう。

上手に学習を進めれば日常会話は身に付く

そして、やり方を間違えずに積み重ねれば、小学生のうちに日常的な会話ができるところまで英語を育てることもできます

ただし、私は「とにかく英会話をたくさんやればいい」とは考えていません。

まず必要なのは、聞いてわかる英語です。

聞いてわかる英語が増えてくると、少しずつ自分でも使えるようになります。

そのあと、読む力、書く力へと広げていきます。

順番としては、

聞いてわかる → 話す → 読む → 書く

という流れです。

我が家の息子は、英語を聞き始めてから約3年後にオンライン英会話でレッスンを始めました。

家庭では、英語の動画や絵本を中心に、できる範囲で続けてきました。

毎日机に向かって何時間も勉強していたことはありません。

それでも、オンライン英会話を始めて2-3年後には英語だけで会話が成立するようになり、5年後にあたる今は、英語のチャプターブックも自分で読んでいます。

もちろん、同じことをすれば誰でも同じ年齢で同じところまで進む、という意味ではありません。

ただ、聞いてわかる英語を先につくり、その上に会話や読みを重ねていく方法は、子どもにとって無理の少ない進め方だと感じています。

▷ 英語教室を探そう!小学生におすすめ5校 英語講師が厳選

小学生で無理に英語を習う必要のない場合

ここまで読むと、

「では、小学生はみんな英語をやったほうがいいの?」と思うかもしれません。

私は、そうは思っていません。

ご家庭によっては、今は英語を優先しなくてもいい場合もあるように思います。

英語以外に時間を使いたいものがある

お子さんが今、夢中になっているものがあるなら、私はそちらを大切にしてほしいと思います。

ピアノでも、サッカーでも、昆虫でも、工作でも構いません。

子どもが自分から、

「もっとやりたい」
「もっと知りたい」

と思って取り組んでいる時間は、とても貴重です。

そこに、

「英語もやらないと遅れるから」

と無理に英語を入れてしまうと、せっかく夢中になっていたものも、親に言われて始めた英語も、どちらも中途半端になってしまう場合もあるでしょう。

英語は、あとからでも積み上げられます。

でも、「今これが好き」という気持ちは、その時期にしかないかもしれません。

英語を早く始めることだけが、子どもにとって良い選択ではないと思っています。

子供の人生に英語は必要ない

もう一つは、ご家庭として、「英語の優先順位はそれほど高くない」とはっきり判断できる場合です。

英語は、全員に必ず必要なスキルではありません。

英語をほとんど使わない仕事も、暮らし方もたくさんあります。

  • 周りがやっているから
  • 学校で英語が始まったから

そんな理由だけで焦って始めても、なかなか続きません。

ただ、私自身は、子どもの英語を続けてきて、英語ができることの価値は「英語を使う仕事に就けること」だけではないとも感じています。

英語ができれば、将来何かを選ぶときに、「英語ができないから無理」という理由で、選択肢を減らさずに済みます。

おうち英語のゴールは海外進学じゃない。「選択肢を持てる子」を育てるということ

子どもが20歳、30歳になったとき、どんな道に進むのかは分かりません。

その時点で英語が必要かどうかを見きわめるのは、なかなか難しいですよね。

我が家では、将来の選択肢をできるだけ残しておく、という意味でも英語を続けています。

小学生で英語を習わないと後から困る?私の考え

いつから始めても一定レベルの英語力は身に付く

まず、ここは安心していただきたいところです。

小学生で英語をやらなかったら、もう手遅れということはありません

中学生でも、高校生でも、大人でも、英語は身につきます。

むしろ、年齢が上がれば日本語の理解力や論理的に考える力も育っているので、文法や語彙は速く習得できることもあります。

私自身、大学生になってから心入れ替えて勉強するようになり、大きく英語力を伸ばしました

ですから、

「小学生のうちに始めなかったから、もう遅い」

と焦る必要はありません。

早く始めるメリットが特に大きいのは、「自然に身に付く」発音や音の聞き取りの部分です。

逆に言えば、その部分は努力次第である程度まで、それ以外の部分はかなり伸ばすことができます。

大学生で英語の勉強をゼロから始めるには?大学2年スタート 私の体験談

英語は短時間では身に付かない(いつ時間を作るか問題)

では、なぜ私は小学生のうちから英語を始めることにメリットがあると思っているのでしょうか。

一番大きな理由は、英語は短時間では身につかないからです。

日本語を母語とする人が英語をある程度使えるようになるまでには、「2000時間前後」という数字が使われることがあります。

もちろん、2000時間やれば必ず話せる、という単純な話ではありません。

学び方によっても違いますし、どのレベルを目指すかによっても変わります。

ただ、英語には、かなりの累積時間が必要になるという感覚を持つには、分かりやすい数字だと思います。

たとえば、週2回、1回30分の習い事に通ったとします。

1週間で1時間。

年間では約52時間です。

もし2000時間をその英会話スクールの時間だけで積もうとすると、単純計算では38年以上かかります

つまり、「週2回英語教室に通っているから、あとは何もしなくて大丈夫」というわけではありません。

むしろ大切なのは、家庭で英語に触れる時間です。

  • 英語の動画を見る
  • 音声付きの絵本を読む
  • 英語の本を聞き読みする
  • 車の中で英語の音声を聞く

こうした時間も、全部英語との接触時間です。

たとえば、平均して1日1時間なら、年間365時間。6年間なら2190時間になります。

もちろん、毎日きっちり1時間やる必要はありません。

30分しかできない日もあれば、ほとんどできない日があっても構いません。

机に向かって1時間勉強する必要もありません。

大切なのは、英語のある生活を長く続けることです。

そう考えると、

「小学生で英語を習うべきか」

というより、英語に必要な時間を、いつ確保するかという問題になります。

そして、中学生以降になると、その時間を確保するのがだんだん難しくなる。

だから私は、小学生のうちから少しずつ積んでおくことにメリットがあると考えています。

中学生以降になったら皆が頑張る(先取り効果)

もう一つ、小学生から始めるメリットとして見落とされやすいのが、中学生以降の「余力」です。

中学校に入ると、基本的にはみんな英語を勉強します。

定期テストがありますし、高校受験にも英語があります。

つまり、中学生になると、

「英語をやる子」と「やらない子」

に分かれるのではなく、ほとんどの子が英語を勉強することになります。

そこで差になるのが、中学校に入った時点で、どのくらい英語の土台を持っているかです。

たとえば、英語の音を聞き慣れている子なら、教科書の音声も入りやすいでしょう。

すでに簡単な英文が読める子なら、中学校の授業そのものが復習になります。

新しい単語も、文字だけで覚えるのではなく、すでに知っている「音」と結びつけて覚えることができます。

すると、英語の宿題に30分かかる子もいれば、10分で終わる子も出てきます。

その20分を数学に使ってもいいし、本を読んでもいい。

もっと難しい英語に進んでも構いません。

私は、この「余力」はかなり大きいと思っています。

小学生のうちに、中学校のテスト勉強を前倒しする必要はありません。

むしろ、小学生のうちは小学生だからこそできる英語をやっておく

そして中学生になったときに、英語に追われない状態をつくっておく。

それが、小学生から英語を始める意味の一つだと思っています。

まとめ:小学生は英語を習うなら、必ず音声から学ぶ

小学生のうちに英語を始めることには、はっきりとメリットがあります。

ただし、私は、「早く始めれば、何をやっても有利」とは考えていません。

せっかく小学生から始めるのであれば、この時期だからこそ育てやすい力を大切にしてほしいと思います。

それが、英語の音を聞いて、意味と結びつけていく力です。

最初から単語を書いて覚えたり、文法用語を暗記したりする必要はありません。

まずは、

たっぷり聞く → 意味がわかる → 話す → 読む → 書く

という順番です。

もちろん、実際にはこれらはきれいに一列に並ぶわけではなく、少しずつ重なりながら育っていきます。

ただ、「文字や文法を先に詰め込むのではなく、まず英語の音と意味をつなげる」という大きな方向は、私はとても大切だと考えています。

英語教室でも、オンライン英会話でも、家庭学習でも構いません。

教材を選ぶときにも、「どれだけ難しいことをやっているか」ではなく、英語の音と意味が、きちんと結びつく学びになっているかを見てみてください。

小学生の6年間は長いです。

毎日少しずつでも英語に触れていけば、かなりの時間を積み上げることができます。

その積み重ねは、中学生になったときに「少し先取りしている」という程度ではなく、英語を学び続けるための土台になります。

私は、それが小学生から英語を始める一番大きなメリットだと思っています。

無理なく、楽しい英語学習のヒントになれば幸いです。

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