おうち英語のブログやSNSなどを見ていると、「母国語方式で英語を学ぶ」という言葉を目にすることがあるのではないでしょうか。
実は、この母国語方式という言葉は、英語教育の専門書にある言葉では使われていません。
私も、一体どんな方法なのだろうか…と頭をかかえました。
はじめまして!
英語講師の「はむ先生」と申します。教歴は15年ほど。
現在、大学の非常勤講師として働いています。
調べてみると「母国語方式」という言葉は、ディズニー英語システム(DWE)社の造語だということが分かりました。
「母国語方式」とは、母国語である日本語を身に付けたときのように、英語を英語で自然に学べる学習法という意味で使われているようです。
今では、SNSを中心に、英語教育に興味のあるママ・パパの間で使われるようになりました。
一般的に、日本語を介さず英語を英語で理解させる取り組みを母国語方式と呼んでいるようです。
この記事では、
- 母国語方式で進める英語の学び方、進め方
について、書いていきたいと思います!
母国語方式とは【直接法】のこと
巷で使われている「母国語方式」という言葉は、同じ意味をもつ専門用語に「直接法(直接教授法)」という概念があります。
例えば、日本語を日本語で、英語を英語で教える・学ぶなどが、それに当てはまります。
直接法とは、
- 英語を日本語で訳すことなく
- 英語を英語のまま使用しながら身に付けていく
学習方法です。
留学生や帰国子女のように、日常生活の中で英語に触れられる環境を整えることで、英語習得を促そうとする方法と言えます。
一方、親になっている世代の私たちが、学校や塾・予備校などの授業で学んできた
- 和訳が中心
- 文法教育と英単語学習がセットになっている
学習方法は、間接法と呼ばれています。
ある程度のレベルまで英語を身に付けた人は、どこかの地点で直接法で学んできたと思います。
英語を英語で理解する|母国語方式はどう進めるの?
英語を「英語で」理解すると言われても、
- 一体、どうしたら?
というのが、正直なところではないでしょうか。
代表的なやり方の1つは、映像など「言葉の意味を理解する手がかりがある状態」でたくさん英語を聞くことです。
音声だけのCDを流し続けるだけではダメです。
英語の「かけ流し」と呼ばれることもあります。
例えば、英語の歌をかけ流していてもその歌詞の意味を理解する手がかりがないので、丸暗記するだけで言葉が身に付くには不十分です。
全体として何となく意味が分かる状態で、一定量の英語を聞くと、子どもは文法の規則を含め言葉を自然に身に付けることができる能力をもつのです。
母国語方式|基本は英語のかけ流し
英語を英語で理解させる方法は、親が英語で話しかけるというのが、最も母語習得に近いと思います。
しかし、英語を母語の代わりに使いこなせる方は、そう多くはないはずです。
1級は満点とらなくても合格できるので合格するにはネイティブ小学生高学年程度だと思います pic.twitter.com/rsLgEYVYG8
— Cherry🍒| FFXIV noob 🌱 (@cherryandfarras) January 11, 2024
皆さんが高い英語力だと認識されている英検1級の語彙数は、ネイティブの小学校高学年レベルだと言われています。
そこから成人の大人として十分な語彙力を獲得できた日本人はそう多くないことでしょう。
親が英語ネイティブの代わりに話し相手になることは、一般的には難しいと思っても良いでしょう。
日常生活・学業を通して高められた母語力は想像以上に高いレベルなのです。
\英語力に関係なくできる/
DVD教材のかけ流し
- 英語教材を1日1時間かけ流す
親の英語力に関係なくできる取り組みは、たくさんネイティブの英語を聞いてもらうことです。
日本語のように言葉を理解できるようになるには、子供の頭の中に「たくさん英語を蓄積する」必要があります。
頭の中の英語バケツに、たくさん英語の水を入れていくイメージです。
専門家はこれを英語インプット(input)と呼んでいます。
入力の英語のインプットの方法には、2種類あります。
- リスニング(耳からの入力)
- リーディング(目からの入力)
幼い子供は文字を読むことができないので、耳からのインプットを増やすことを心がけます。
赤ちゃんはおおよそ1年足らずで、母語の聞き取りができるようになります。
英語インプットも1年ほど続けると、意味のない音の羅列だった英語が、意味のある言葉の塊として理解する能力を身に付けます。
これを手軽に実施できるように用意されたのがディズニー英語システム教材だと、私は理解しています。
英語を実際に使えるようになるのはもう少し先です。
母国語方式の英語習得|かけ流しが効果的な年齢は?
聞き流しが効果的な年齢は?
理論では0歳から8歳前後まで
(個人的には4歳頃まで)
バイリンガル研究の分野では言葉を自然に習得できる時期が明らかにされており、言語形成期前半(0歳から8歳)だと言われています。
無意識で言葉を身に付けられる時期で、母語の習得においても最も重要なときです。
言い換えると、(お勉強と意識せず)自然な言語習得を期待できる時期は小学校低学年までを目安にすると良さそうです。
個人的には、母語の基礎力が完成する5歳に近づくと、聞き慣れない言葉である英語を単純に聞き続けることは難しくなるように思います。
子供から「分からないからイヤ」という言葉が聞かれるようになり、ディズニー英語システム教材であれば、4歳がぎりぎりかなという印象です。
ただし、日本語でアニメなどの映像を見ていない子供さんであれば、うまく英語の映像を楽しんでくれるように感じます。
日本語でアニメなどを知っている年齢なので、生活環境によりますね!
年齢に伴う成長により、
- 日本語の基礎力が完成する
- 日本語で文字の読み書きができる
ことは、英語習得に良くも悪くも影響を与えます。
理論的にも、8歳以降から英語を始める場合、同時に文字を使って利用した方が効果的だということが分かっています。
子供の年齢によって、学習方法を検討する必要がありそうです。
母国語方式で英語を学べるおすすめ教材
母国語方式、つまり日本語を介さず英語を理解する教材は、ディズニー英語システム以外にも数多くあります。
教材選びは、親御さんの性格、英語力、教育方針、予算などによっても、適した英語教材というは変わると思っています。
毎日、子供の英語に付き合うのが苦でないのか、絵本の読み聞かせまでできるのか、DVDをかけ流すことまでならできるのか、その違いは大きいです。
ディズニー英語システム教材が良質でも、使いこなせなければ、正規購入するのはもったいないと思います。
やり直せるならDWEの中古を検討するかなと。
教材選びなど個別に相談もお受けしておりますので、有料にはなりますがよろしければご活用ください。
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