エッセイ

幼児・子供がおうち英語を嫌がる|親にできることは?

近年、小学校英語教育の低年齢化などを受け、幼い頃から英語教育を始めるご家庭も増えてきているように思います。

特に英語で苦労した経験をお持ちの親御さんは、子供に同じような苦労をさせたくないという思いから、そのような傾向が強いかもしれません。

現役英語講師
はむ先生

はじめまして。大学で英語を教えている「はむ先生」と申します。

教歴は15年ほど。現在は仕事をしつつ、4歳の息子の相手をする、そんな毎日を過ごしています。

ママの視点だけでなく、プロの視点から、お子さんの英語教育に役立つ記事を書いていきたいと思います。

個別相談も行っています。どうぞお気軽にご利用下さい!

近年使われ始めたおうち英語という言葉に表れているように、子供の英語教育は家庭内で始められることも多いと思います。

インターネットの普及によりYouTubeなどの動画に簡単にアクセスできること、アプリを使った英語学習教材や英語絵本なども手に入りやすくなったことも、おうち英語の普及の理由でしょう。

一方、英語教育を専門に学んでいない限り、インターネットにあふれる多くの情報から、どのやり方を自分の子供に取り入れればよいのか、その判断が難しいのが現状です。

正確な情報に基づかず、誤った学習方法親の言動によって、子供がやる気を無くしたり、英語嫌いになったりしてしまうということも起こり得ます。

この記事では、

船津 洋著『10万組の親子が学んだ 子どもの英語「超効率」勉強法』(かんき出版)より、

  • 子どもの英語勉強で避けた方が良いこと(p.179)

に関係する一部を抜粋、その内容をまとめていきたいと思います。

また、私が研究の専門分野としている

  • 英語学習動機づけ
  • 英語教授法
  • 学習者心理

の視点から、記事を追加、おすすめ教材の紹介をしていきます。

参考にしていただけたら嬉しいです!

子供がおうち英語を嫌がる|赤ちゃんから幼児期の効果的な学習方法と親の反応は?

赤ちゃん~幼児のおすすめの学習方法は【聞き流し】

年代に限らず、外国語学習に必要不可欠なものがその言葉の入力(インプット)です。

英語のインプットがなくては英語習得は起こらないということは、研究者の間でも意見が一致しているところです。

2種類のインプットの方法

  • リスニング(聞く)
  • リーディング(読む)

本書(p.165)には幼児期から始める英語学習の方法を以下のようにまとめています。

世の中には様々な子供向け教材がありますが、もっとも自然の言葉の習得に近いインプット母親の語りかけ家庭内の英会話であると述べています。

その原則に従った英語学習として実現できる方法が【聞き流し】です。

調査から子供は周囲の音声を意識せずに聞き流していることが分かっています。

集中して聞くのも悪くありませんが、幼児期の言語獲得になぞらえると、赤ん坊は常に集中して周囲の会話を聞いているのではありません。

従って、インプット教材は【聞き流し】をしやすい耳からの音声をメインに、視覚教材にはあまり偏らないことを心がけることが大切です。

親の立場からすると、視覚教材は映像が付いているため子供に注目させやすく、集中して見てくれるように感じます。

しかし、映像には音楽や効果音などがとても多く含まれていて、インプットの質に問題があることが多くあると忠告しています。

またアニメなどの特徴は、映像から情報が伝わるので、わざわざ言葉にして表現しなくても済んでしまうという点で問題もはらんでいます。

具体的な【聞き流しの方法 】についてはこちらの記事をご覧ください。

親の反応で英語が嫌いに|親が避けたい3つの言動

本書(p.183)に【聞き流し】を始めとする音声のインプットに関して、親が避けたい3つの言動が述べられています。

英語のインプットで親が避けたい言動

  • 反応を求めない
  • リピートさせない
  • 日本語を入れない

1つづつ、詳しくみていきたいと思います。

反応を求めない

楽しくなくてよい

喜ばなくてよい

表面的な反応は「インプット時」に求めない

英語の音声を子供が喜んで聞くことはまれです。

あくまで英語をBGMとして聞き流す(かけ流す)ことで、子供が連続する音の中から意味の塊(単語)を取り出す能力を身に付けることが目的です。

聞き流しは、何かをしながらでも、集中しなくてもよく、耳からの英語インプットは子供が興味をもっているかが分かりません

従って、親が聞いているのかな・・・と不安になりがちですが、反応を求めないように心がける必要があります。

リピートさせない

言わせない

分かっているか尋ねない

発音を直さない

学習効果を求めるあまり、子供にリピートさせようとする親御さんがみられますが、避けるべき行いです。

聞き流しの目的はあくまでインプットなので、出力(アウトプット)するためのものではありません。

子供が聞いた内容を自然と口にする分には構いません

リピートさせることによって、自然な獲得ではなく「お勉強」という意識が働いてしまうことになり兼ねませんので、気を付けましょう。

日本語を入れない

意味を理解しているか確認しない

説明しない

訳さない(聞かれても)

これは非常に重要なことですが、日本語を介して英語を理解させないことです。

幼児が日本語を日本語で理解していくように、英語を英語で理解していくことが望ましいのです。

「cat は 猫よ」というように、英語に対応する日本語を添えたくなる場合もあるかもしれませんが、そのような説明はご法度です。

子供から「どういう意味?」と聞かれたら、「さぁ」と答えておけば結構です。

「お母さんには分からない。どういう意味だろうねぇ。」と答えておくことで、母語と同じように英単語を自然と理解し、使えるようになります。

聞き流しに使えるおすすめ英語教材

聞き流しに必要なインプット素材

英会話(語り)・歌・絵本・単語

英語でされている音声の聞き流しとして、語りの他に、歌や絵本の存在が大切なインプット素材として挙げられます。

日本のわらべ歌のような位置づけにあるのが、英語圏でいうマザーグースです。

マザーグースは読解力のとっかかりとなるため、幼児期の英語教育には欠かせない存在とされています。

絵本の効果に関しては、読解力を育てる以外にも、色・形・数・文字・曜日などの基本的な概念が学べる教材として期待されます。

また、幼児から小学生までの英語インプットに威力を発揮するのがフラッシュカードによる単語のインプットです。

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はむ先生

私は、これらの条件を備えた教材としてBaby English Laboの絵本教材をおすすめしたいと思います。

英語圏で有名な絵本毎月1冊(6か月間)送られてくるセットです。

絵本の内容がネイティブの音声で語られているCDが付いており、聞き流しにもってこいです。

また、マザーグースを含む、英語の歌もCDに含まれています。

Amazonなどで洋書が簡単に手に入る時代ですが、質の高いCD付きの英語絵本はなかなかありません。

それを探す手間を考えると検討の価値があると思います!

Baby English Laboの英語絵本を見てみる→

ベビーイングリッシュラボの口コミ|0歳1歳2歳は絵本と歌で始める! 乳幼児期の英語教育の始め方はどこにも書いていませんね。 赤ちゃんの頃から生活に英語を取り入れようと考えた場合、日本語と同じように...

子供がおうち英語を嫌がる|小学生の効果的な学習方法と親の対応は?

小学生|おすすめの学習方法は【倍速学習と暗唱】

本書(p.215)には、小学生から英語学習を始める子には、幼児期とは異なるアプローチが必要だとまとめられています。

小学生になると【聞き流しが効果的でなくなる理由は?

小学生の年齢になると日本語の読解力が身に付いていくことに関係しています。

1年生でひらがなを身に付けることで、日本語の五十音の知識を使って聞き取ろうとするようになり、英語が聞こえなくなっていくのです。

しかし、大人よりもはるかに耳は良く、英語の真似も上手なので、小学生はまだまだ言語に対する柔軟性があることで知られています。

小学生にもなると精神的にも随分と成長し、学校で机に座り勉強ができる年齢となります。

英語学習においては、小学生と年齢が上がり、聞き流しからのインプットが困難になっている弱みがあります。

一方、文字を使った学習ができる強みがあります。

この2点を考慮したおすすめの学習方法は【倍速を使った暗唱 】を取り入れることです。

具体的な【倍速学習と暗唱】の方法については、こちらの記事をご覧ください。

親の反応でやる気をなくす|親が気を付けたい3つの言動

小学生になると英語が教科の1つとして扱われるようになります。

2020年度より小学校3年生から外国語活動が、5年生からは教科としてテストも実施されるように変更されました。

以上のことからも、英語に対して【学ぶ】感覚が強くなっています。

場合によって、それは自らの意思に背くものとして、学習動機を下げることにもなりかねません。

英語学習動機づけの分野で明らかとなっている、子供の学習動機(勉強するやる気)をなくす親の言動は3点にまとめられます。

子供の学習動機づけを下げる親の言動

  • 無理強いする
  • 無駄に褒める
  • 結果を重視する

無理強いする

感覚的に無理強いされれば嫌だろうことは、簡単に想像ができると思いますが、学習動機づけの研究においてもそれは明らかとなっています。

人がある行動をするとき、楽しいから、好きだからという理由でそれをしていることがあります。

それを研究者は内発的に動機づけられている状態と呼んでいます。

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人の心の内側からくる感情だからでしょうかね。

この内発的動機づけは、さまざまな動機づけのなかでも、最も強い人が行動する理由として働くことが分かっています。

人が楽しく・好きだと思いながら行動できる条件は3つあります。

  • 自律性(自分でそれを行うことを決めていること)
  • 有能性(自分にはそれを行う能力があると感じていること)
  • 関係性(自分は周りの人たちにサポートされていると感じていること)

子どもに英語学習を無理強いすることは、この3条件に背き、内発的動機づけが低くなります。

内発的動機づけが低くなるということは、楽しさを感じたり、好きという感情がもてなくなったりすることです。

結果、子供が英語を嫌がったり、嫌いになったりすると考えられます。

テストで良い点を取らなくてはいけない、親が大切だと言うから勉強するなどの理由は外発的動機づけに分類され、英語学習理由としては消極的なものに見えます。

しかし、外発的動機づけが英語学習の理由になっていたとしても、最終的な決断において、子供の自律性が尊重されることは大切です。

英語学習を行うかどうかを自分で決めることが許されるならば、少なくとも自律性・関係性は満たされることとなり、立派な学習動機となるでしょう。

無駄に褒める

動機づけの観点からみると褒めるというのは難しい行為です。

人は誰しも褒めてもらいたいですし、褒められればやる気も高まるからです。

一方、褒めるという行為のせいで、英語を楽しいと思えなくなるということが起こり得るのです。

動機づけの視点から見ると【親に褒められること】報酬にあたります。

報酬のためにする行動は、外発的に動機づけられている状態です。

最初は子供が楽しく好きだからという理由でやっていた英語の勉強が、褒められているうちに、褒められたいがためにやっていると変わってしまうことがあります。

好きこそものの上手なれという言葉があるように、好き・楽しいが理由になっている行動(内発的動機づけ)最も強い動機づけです。

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子供が好きでしている行動は見てわかると思います。

そうっと見守り、無駄に褒めるのはやめましょう。

結果を重視する

動機づけの視点からみた結果を重視すること問題点は、期待したような結果が出なかった場合にあります。

思ったような結果が得られれば満足感も高く、楽しい・好きというような内発的動機づけの高まりにもつながると思いますが、逆の場合はどうでしょうか。

普段から行動に対する努力が見られたときに褒めることによって、結果がどうであれ、親は見てくれているんだという安心感・信頼感の構築につながります。

周りの人たちとの関係性の構築は、自律性・有能性の高まりを下支えする大切な役割を担っていることが分かっています。

読解・暗唱に使えるおすすめ教材

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様々な英語教材を見てきた中で、小学生が倍速学習をしやすい、私の一押し教材はこちらです!

この倍速学習方法と一致した英語学習教材が、しちだ式英語教材【魔法タッチペン】です。

世界各地を周りながら、日常生活で使われる約700フレーズを学ぶことができる学習教材です。

1日7分、20フレーズが1セットとなっていて、35日で完了します。

通常のスピードで音声が流れるバージョンと3倍速で流れるバージョンがあり、倍速学習ができるようになっています。

我が家でも1セット購入しましたが、文字の導入も教材の内容理解も、園児の息子にはまだ早く感じました。

幼児教育で有名な七田式教育の監修で製作されているためか、6歳以下を推奨としているようですが、世界旅行がテーマとなっており小学生にぴったりの内容だと感じます!

七田式英語教材について詳しく見てみる→

七田式英語教材のホームページがなかなか見にくいので、こちらの記事に詳しい教材内容をまとめています。よろしければ併せてご覧ください。

既に子供がおうち英語を嫌がっているときは?

人が物事を楽しく・好きだと感じながら行動できる3つの条件

  • 自律性(自分でそれを行うことを決めていること)
  • 有能性(自分にはそれを行う能力があると感じていること)
  • 関係性(自分は周りの人たちにサポートされていると感じていること)

これは個人的な意見になりますが、

私は、人は年齢問わず、自分の好きなことであったり、興味のあることに関する能力が、最も伸ばしやすいと感じています。

なので、嫌だと言われてしまったら、私ならそれを認め、いったん英語から離れるかなと思います。

ただ将来的なことを考えると、全く無しにするというのも・・・という気がしますよね。

なので、頃合いを見て、上の3条件(自律性・有能性・関係性)を満たすようなアプローチで、再度英語に触れさせると思います。

赤ちゃんから幼児であれば、聞き流しの正しいやり方を再度確認して、再開します。

小学生になっていれば、どのような事であればできそうか、子供の意見を取り入れながら決めていくのも良さそうに感じます。

現役英語講師
はむ先生

言語学習は長期目線で考えることをおすすめします。

早く英語学習を始めることで有利な部分もあるかもしれませんが、何事も遅すぎるということはないと思います。

現に私も本格的に英語を学ぶと決めたのは大学2年生のときでした。

中学校のときは落ちこぼれで英検5級~2級までは不合格で持っていません。高校生だったと思いますが、準2級から合格し始めました。

取り組んだ時期が早かったら何か違ってたかもしれないと想像することはできますが、私にはあの時が適した学習時期だったのだと感じます。