早期に始める英語教育は危険性が伴うのでしょうか。
私は第二言語習得を大学院で学んできたこともあり、早期英語教育がうまくいかない事例というのも知識として持ち得ていました。
はじめまして!
英語講師の「はむ先生」と申します。
教歴は15年ほど。現在、大学の非常勤講師として働いています。
実際に子供を産み育てる立場となり、確かに闇雲に英語教育をおこなうリスクというのもあると感じます。
しかし、正しい知識を持つことで、危険性を回避し早期英語教育のメリットを得られると考えています。
この記事では、
- 早期英語教育の危険性とその回避方法
について書いていきたいと思います。
※ 記事を執筆する前提として、ご両親の母語が日本語で、お子さんが日本国内で公教育を受けていくことを前提に話を進めていきます。
参考にしていただければ幸いです!
早期英語教育の危険性とは何か?
母語が習得されないこと
私が早期英語教育の危険性を尋ねられ、思い浮かべることがあるとすれば、英語に偏りすぎることで母語がうまく習得されなくなってしまうことです。
人間の子供は言葉を持って生まれてくる訳ではなく、周囲で話されている言葉を生まれてから身に付けます。
つまり、英語を身に付けさせたいからと0歳のうちから英語ばかりを聞かせるようなことをすると、母語である日本語が身に付かないということが起こり得ます。
これと似た環境で子育てしたら1人目は日本語が東大どころか8歳児レベルで止まった…この方法でスポーツ競技で全国レベルの戦績出しながら日本語が学年相応なってる子はいまだ見たことない。世の中にはいるのだろうか。 https://t.co/TNjLemfXGe
— 桜の咲く家 (@housekokokara) November 14, 2023
極端な例ではありますが、上の投稿は参考になるかと思います。
親御さんがお子さんに期待する未来の姿がどのようなものなのかを明確にしたいところです。
過度な英語環境は要注意です!
子供は5歳までに日本語の基礎力を身に付け、15歳で完成させます。
その中でも、おおよそ1歳で1語文を話すようになるまでの言葉の蓄積期間は重要です。
個人的には、日本語を母語とするご家庭で英語教育を行う場合には、母語である日本語習得も意識しながら進めることをおすすめします。
親がのめり込むこと
「何が何でも英語を!」と親がのめり込むほど、英語ができることは絶対必要なものなのかを考えたいところです。
子を育てる親として、子供の人生において何が最も大切かを見極める余裕は常に持っておきたいと考えています。
言葉の習得は長期戦です。焦らず。
確かに外国語を身に付けるには、相当な時間が必要なので、それを継続することは誰にでもできることではないかもしれません。
しかし、英語を母語とする環境に生まれ、何の苦労もなく英語を話す人もいます。
どんな能力もあるに越したことはありませんが、英語ができなくとも生きていけます。
親が熱くなり過ぎると、子供に無理をさせていることに気が付きにくくなります。
自戒の念を込めて、親がのめり込み過ぎないようにしたいものです。
早期英語教育の危険性は回避不可能なのか?
冷静に情報を整理すれば大丈夫
インターネット環境が普及した現在、ネット上には情報があふれています。
子供の英語教育に関しても、真偽の疑わしい情報も多いのが実情です。
私がサイト開設を決めたのも、それが理由です。
特にインスタやTwitter(現在のX)の普及から、個人の経験を語る場が増えています。
0歳から英語のYouTubeを見せ続けていたら英語を話すようになったなどの情報を、私自身も目にしたことがあります。
そのような情報を見かけたときには、冷静に情報を分析をする必要があります。
簡単に言うと、
- 日本語の習得レベル
- 英語の習得レベル
がそれぞれどの程度かという点です。
英語を話しているように見えても、例えば、単語を発しているだけでは1歳の1語文と変わりありません。
端的に言えば、英語年齢1歳というところでしょう。
年齢相応に成長しているというのはまずまず重要で、どの言葉がどのくらい育っているのかという冷静な視点をもつ必要があります。
危険性?早期に英語教育を始めた息子の事例
0歳は気持ち程度・親からの語りかけなしでも英語習得できる
年長さんの息子は、0歳3か月の頃から英語を始めて、現在6年目です。
とは言っても、0歳の頃は1日5分程度で、ほんの気持ち英語を聞かせたくらいでした。
▷ 息子おうち英語記録は、こちら
また、英語は聞かせるだけでも身に付くのかを見たかったということもあり、私(親)からの英語での語りかけはしませんでした。
その結果、英語は話し始めず。笑
しかし、4歳になる少し前からオンライン英会話を始めることで、英語を自分の言葉として話すようになりました。
つまり、英語を十分に聞かせた上で英語を話す環境を用意すれば、子供はその言葉を話すようになるということです。
これは第二言語習得の理論通りで、納得のいく結果だと感じます。
極端なことをしなければ日本語に遅れは見られない
早期英語教育の危険性は母語習得の遅れだと述べましたが、息子はそれに当てはまりませんでした。
しかし、日本語が年齢相応に習得されている代わりに、英語は実年齢よりも1‐2歳遅れていると思います。
英語も話せて読めますが、日本語ほどではありません。
逆に、
- 乳幼児期に触れる言葉を英語一色にすること
は、日本語習得が遅れる可能性を意味しているでしょう。
こちらの投稿が参考になると思います。
日本語は絵本読み聞かせやれば十分で国語は小学校からでいいや、と思って英語に全振りしたけど5歳で日本語手遅れだと気付く。巻き返しはすぐには出来ず9年。中3でやっと追いついた感。4歳でちゃんとやればこれほど苦しまなかったはず。でも英語は中途半端だっただろうし…どちらが得策かはいまだ不明
— みくり@帰国子女の英語維持 (@MikuriEming93) September 10, 2023
1日は平等に24時間しかありませんから、何にどれだけの時間を使うかで磨かれていく能力が変わるのは当然です。
どちらかの言語が遅れることの良し悪しというよりも、わが子にとって良い将来はどちらなのかという視点で考えたいですね。
息子の友達のママは毎日子供の公園遊びに夜暗くなるまで付き合っています。
その子の体力のすごいこと!
つまり、日本語にどれだけの時間を使い、英語にどれだけ使うのかというのは、常に冷静に判断しながら進めていきたいと思います。
早期英語教育は危険性もあるけれど利点も多い
外国語は年齢が上がるほど嫌と言われる可能性が大
先に述べたように、母語の基礎力は5歳頃に完成します。
つまり、母語である日本語がそこそこに話せて、自分が体験したことを言葉で伝えられるようになるということです。
逆に言えば、日本語以外の言葉を分からない言葉として認識するようになるということです。
個人差もありますが、幼稚園にはいる3歳頃から、聞き慣れない外国語を嫌がる子供も出てきます。
例えば、英語教育系のDVDを見せようとすると嫌がられるなどです。
この傾向は年齢が上がるほどに顕著で、4歳になるとほとんどの子供がそうなります。
日本語力が高まるほど、「分からないままにする」ことへの耐性が弱まるようです。
2~3歳までであれば、英語で話されている映像も抵抗なく見てくれることがほとんどです。
日本語でも理解できないままに見ているためだと推測できます。
早期英語教育の大きなメリットは子供が抵抗を感じる前に英語に親しめるという点だと言えるでしょう。
気が付いたときには英語が分かる早期英語教育のメリット
5歳を過ぎると子供の個性が顕著に見えてきて、子供自身もそれらを認識するようになります。
〇〇君は足が速い、〇〇ちゃんは絵が上手というように、得意が分かるのです。
逆に、自分の不得意も分かるようになっていきます。
息子の場合は身体の使い方があまりうまくないので、「僕は走るのが遅いんだ」とよく嘆いています。
周りと自分の能力を比較できる年齢になるのですね。
鬼ごっこで全然捕まえられないとか。
このような他者と比較し始める成長段階において、「私は(僕は)〇〇が上手」と思える気持ちは子供の強みになります。
社会的に評価の高い英語力もその1つです。
英語が話せたり読めたりすることは、他者に褒めてもらえる、子供自身が得意と言えるものの1つになるでしょう。
子供の得意は生まれ持った素質と環境で作られていくものだと思います。
しかし、英語に関しては「言葉」ですので、親が環境を整えることで自然に身に付く可能性の高い能力の1つだと考えています。
気が付いたら日本語を理解し話せているのと同じように、英語も身に付けられるのです。
危険性を避けた早期英語教育のすすめ
0~1歳は絵本スタートがおすすめ
誰しもがスマートフォンを持つようになった現在、子供のスクリーンタイムは増加傾向にあります。
日本小児科医会では2歳までは映像を見せず、その後も2時間を目安に制限することを提言しています。
指標は少し変わりますが、WHO(世界保健機構)でも同様の判断がされています。
視力の発達は2歳までにピークを迎えることも関係するようです
それらの提言を総合すると、0歳から1歳のおうち英語には、音声を聞くことを中心とする絵本と歌を活用することが良さそうです。
私のおすすめは、Baby English Laboの絵本と歌のセットです。
1か月に絵本1冊とCDが届きます(全6か月)。
6カ月分の教材×2周で、おうち英語1年目はこれで十分だと思います。
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母語習得を優先する0歳のおうち英語のコツは大量に英語を聞かせることではなく、親御さん自身が英語に触れる習慣を身に付けることです。
寝る前にネイティブの音声を聞かせながら一緒に届いた絵本を開いたり、音楽を聴いたりすることを、(気まぐれにではなく)毎日継続することを目指します。
そうすることで、おうち英語2年目からも軌道に乗せやすくなります。
英語絵本の読み聞かせを習慣に出来たら、有名どころの絵本を難易度順に並べたLiaoリストを活用するのはいかがでしょうか。
乳児期には親御さんが音声を活用して読み聞かせをすることで、その後、お子さんの自力読みに繋げやすいと感じます。
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1~2歳頃からはDVD教材も良い
おうち英語2年目からは、個人的な意見にはなりますが、絵本や歌に加えて「映像教材も使う」のが効果的だと思います。
1歳から2歳になると日本語習得が順調であれば、それに伴い英語時間も伸ばすことができるからです。
2歳まではスクリーンタイムが推奨されていないので、どこまで許容できるか各々判断する必要があります。
1歳から2歳になると起きている時間も長くなり、行動範囲も広がります。
15分、30分だけでも、ちょっと一人で遊んでいて欲しいときがあるのではないでしょうか。
そういう時に、英語の映像教材を活用して「制限された時間の中での楽しみ」として位置づけることをおすすめします。
スクリーンタイムの制限をかけつつ、英語を特別な楽しい時間にすることで「娯楽=英語」と結びつけることができます。
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その他、ディズニー英語システムも教材の質が良く検討の価値があります。
ただ数年間、英語を聞かせるためだけの利用としては高額なので、中古をおすすめします。
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