英語絵本を用意したものの、いざ開いてみて手が止まってしまうことはありませんか。
「この発音で読んでいいのかな」
「途中で飽きられたら、どうしよう」
「そもそも私が読んで、意味があるのかな」
英語絵本の読み聞かせで迷う原因は、絵本そのものではなく「読み聞かせ」という言葉にあると思っています。
読んで聞かせなければいけない、と思わせてしまう言葉なんですね。
大学英語講師はむ先生英語講師の「はむ先生(村上里実)」です。教歴は15年、大学で非常勤講師を務め、第二言語習得を専門としています。
結論からお伝えします。
0歳の英語絵本は、親御さんが読まなくて大丈夫です。
ネイティブの音声を鳴らして、ページをめくって、「かわいいねー」と言っている。
それだけで、0歳のおうち英語としては十分に成立します。
この記事では、
・親が読まなくていい理由
・音声を流している間、親は何をするのか
・同じ本を何回読むのか
・赤ちゃんが噛む・勝手にめくる・途中で行ってしまうときにどうするか
・歌のときにやると理想的なこと
を、我が家が0歳の1年間で実際にやっていたことと合わせてお伝えします。
0歳のおうち英語の全体像(日本語とのバランス、教材の選び方、1日何分かなど)は、こちらでまとめています。
▷ 0歳のおうち英語は何から?始め方・教材・日本語とのバランス
0歳の英語「読み聞かせ」のコツは、読んであげることにこだわらない

英語絵本の読み聞かせでつまずく親御さんは、たいてい真面目な方だと思います。
- きちんと読んであげたい
- 自分の発音が気になる
- とはいえ、音声を使う方法が分からない
でも0歳の絵本の時間に必要なのは、上手な朗読ではありません。
やることは、音声を鳴らしてページをめくるだけ
具体的な動作は、これだけです。
- 音声を鳴らす(音声ペン、CD、スマホ、どれでも構いません)
- 音声に合わせてページをめくる
- 赤ちゃんが見ている絵を、一緒に見る
親御さんが声を出す必要はありません。
「読み聞かせ」を「一緒に絵本を見る時間」と言い換えてみてください。
それくらいの気軽さで大丈夫です。
現役英語講師はむ先生音声が読んでくれるので、親の担当は「一緒にいること」です。
「かわいいねー」は、訳すより大事
音声を流している間、黙っていなければいけないわけでもありません。
日本語で反応してよいのです。
- 「かわいいねー」
- 「あ、ねこさんいたね」
- 「この子、おこってるみたいだね」
こうした声かけは、英語の邪魔になりません。むしろ、0歳の絵本の時間で一番大事な部分です。
ただし、ひとつだけ避けたいことは、日本語に訳すことです。
- ❌「Dogは、犬っていう意味だよ」
- ⭕「わんわんだ、かわいいねー」
一見似ていますが、赤ちゃんの中で起きていることが違います。
前者は「英語→日本語→意味」という回り道を作ります。
後者は、絵と音と気持ちが同じ瞬間に重なります。
実は、この「重なる」ことには研究の裏付けがあります。
赤ちゃんは一つの手がかりだけで言葉を覚えるのではなく、見えているもの・聞こえる音・親の表情や反応が同じ瞬間にそろったときに、言葉を学ぶと考えられているのです。
「かわいいねー」は、その瞬間を作る声かけです。
0歳の赤ちゃんは、日本語を経由せずに、絵と音を直接つなげられる時期にいます。
せっかくその力があるので、訳して渡す必要はありません。
大学英語講師はむ先生意味は、絵と親御さんの反応が教えてくれます。

0歳のおうち英語の目標は、「英語の音を残す」ことだけ

なぜ、めくるだけで十分なのでしょうか。
それは、0歳のおうち英語で達成できることが、そもそも一つに絞られているからです。
私は子どもが0歳のときは、英語の音声を息子の頭の中に貯めていくことだけを目標にしていました。
英語を話せるようにする、単語を覚えさせる、といったことは考えていません。
0歳にそれを求めるのは、そもそも非現実的だからです。
日本語で毎日たっぷり話しかけて育てても、赤ちゃんが初めての言葉を話すのは1歳前後です。
母語ですら0歳のうちは「できるようになったこと」が見えません。
1日数分の英語で、それ以上のことが起こるはずがないからです。
0歳は、聞き分けられる音が絞られていく時期
赤ちゃんは、生まれたときにはあらゆる言語の音を聞き分けられる状態にあると考えられています。
そこから1歳になるまでの間に、身の回りで繰り返し耳にする音を手がかりにして、自分の言語に必要な音の区別だけが残っていきます。
つまり0歳は、増やす時期ではなく、残るものが決まっていく時期です。
「音を残しておく」という目標は、ここから来ています。
このあたりの研究と、そこから私がどう考えたかは、別の記事に詳しくまとめました。
▷ 0歳の英語に意味ない?研究で分かっていること・いないこと
条件は「ネイティブ音声」の一つだけ
ここから、0歳の教材選びの答えが出ます。
ネイティブの音声であること。これだけが条件です。
音声付きの英語絵本でも、音声ペンでも、歌の音源でも構いません。
図書館で借りた絵本に手持ちのCDを合わせても大丈夫です。
逆に言えば、カタカナ発音で読み聞かせるのは、0歳に関してはおすすめしません。
残しておきたい音の区別が、そこには入っていないからです。
そして、これが親御さん自身の発音を気にしなくていい理由でもあります。
音を届ける役目は、音源が担ってくれます。
親御さんの担当は、一緒に絵本を開いて楽しむこと。
役割が分かれているので、英語が苦手でも0歳のおうち英語はできます。
現役英語講師はむ先生教材はどれでも構いません。ただし、音はネイティブで。
なお、小さく始めるのではなく、最初から数年分を教材で組み立てたいご家庭向けに、0歳から5歳までの教材プランを別記事にまとめています。
▷ 新生児の赤ちゃん|英語の聞き流しはいつから?(0歳からの5年プラン)
ただし、流しておくだけでは足りない
一方で、音声を流しておけばそれで済む、という話でもありません。
赤ちゃんは、人と一緒に何かを見ていて、自分の反応に応じてもらえる状態でこそ、音と意味を結びつけていきます。
つまり「お母さんが一緒に楽しんでくれて、そこに英語の音がある」というのは、続けるための工夫ではありません。
音が意味を持つための条件だと考えています。
かけ流しを否定するわけではありませんが、それだけを頼りにしない方がよい理由がここにあります。

我が家の0歳|英語は歌3曲と読み聞かせ1冊

参考までに、我が家が0歳の1年間にやっていたことを書いておきます。
正直なところ、これ以外は何もしていません。
英語は、1日3曲
英語の取り組みは、歌を1日2~3曲。
時間にすると5分ほどでしょうか。
息子が生後3か月のときにディズニー英語システムを購入していて、その歌の教材を使いました。

0歳に映像を見せるつもりはなかったので、抱っこしながら遠目でスクリーンを見る程度で1日2~3曲と決めました。
かけ流しではなく、子どもがご機嫌なときを見計らって、一緒に見る形です。
音声だけを流さなかったのには理由があります。
意味を推測できるヒントのない音声を聞かせ続けても、言葉の習得には効果がないことが分かっているからです。
歌の映像には絵が付いていて、抱っこしている私が一緒に反応できる。
だから3曲は、映像+親の関わりというセットでした。
実は、DWEは絵本の読み聞かせが目当てで買ったのですが、届いた絵本は読み聞かせに使えないものでした。「どうするの?これ?」という状態から立て直した話は、別の記事に書いています。
3曲と決めたのは、私が「音を残すこと」だけを目標にしていたからです。
目標が小さいので、3曲で足りるだろう(それ以上の時間をついやすと、日本語に影響するかも)といった判断でした。
現役英語講師はむ先生さすがに歌3曲で、日本語がおかしくなることはないだとうと考えました。
絵本は、日本語のために読んでいた
一方で、絵本の時間はもっと多く取っていました。
お昼寝と夜寝る前の時間、1日2〜3回です。
0歳のうちは朝寝と昼寝があるので、朝寝の前・お昼寝の前・夜寝る前と、寝る前の時間が1日に何回もやってきます。
そのたびに3冊ずつ、日本語2冊、英語1冊という配分で読んでいました。
1回3冊と聞くと多く感じるかもしれませんが、寝る前の流れに組み込まれているので、頑張って時間を作った覚えはありません。
月齢が進んで朝寝がなくなれば、自然に回数も減っていきます。
現役英語講師はむ先生本を読めば、寝る時間という習慣になりました
ここが誤解されやすいところなのですが、我が家の絵本の時間は、英語のためではなく日本語の語彙を増やすためにやっていました。
順番も、日本語が先です。
読み聞かせを始めたのは生後2か月頃で、最初は日本語の絵本だけでした。
英語絵本を1冊混ぜるようになったのは、生後5〜6か月頃からです。
つまり、英語のために新しい習慣を作ったわけではありません。
すでに毎日回っていた絵本の時間に、英語を1冊足しただけです。
ゼロから習慣を作るのに比べて、この足し方はほとんど負担がありませんでした。
0歳は、日本語を含む「ことばの土台」を作り始める時期です。
気持ちや出来事を表す言葉を豊かに持たせたかったので、日本語の絵本を中心に読んでいました。
英語絵本は、そこに1冊混ぜていた形です。
当時は音声付きの英語絵本がまだ少なく、英語絵本は私が読んでいました。
今また0歳を育てるなら、Liaoリストの音声付き絵本を使うと思います。
親が読まなくて済むので、そのほうがずっと楽です。

0歳の英語絵本の読み聞かせ|具体的なやり方

ここからは、実際に絵本を開くときの手順です。
子どもが文字を認識できるときの「読み聞かせ」とは違うので、参考にしてください。
音源を鳴らす3つの方法
音を鳴らす手段は、次の3つがあります。
どれでも構いません。
| 方法 | 向いている場面 |
|---|---|
| 音声ペン | 親子で使える。赤ちゃんのペースでめくりながら、そのページの音声だけを鳴らせるので便利。 |
| CD・スマホ再生 | 子どもに触らせず、親が操作したいときに手軽。CDの場合には、事前にスマホに音声を入れておきたい。 |
| 親が読む | 音声がない絵本のとき。ネイティブ音源のある他の教材と組み合わせて使う。 |
Liaoリストのように音声ペン対応の絵本セットがあれば、1本用意しておくと便利です。
赤ちゃんが自分でペンを持ちたがる時期も来ます。
音声を流している間、親は何をする?
ほとんど、何もしなくて大丈夫です。
- 隣にいて、同じ絵本を見ている
- 気が向いたら、絵を指でさす
- 気が向いたら、日本語で反応する(「かわいいねー」「あ、いたね」)
指をさすのも声をかけるのも、毎ページやる必要はありません。
1冊の中で何回かあれば十分です。
そして、覚えておいていただきたいのは1つだけです。
赤ちゃんが見てくれないときに、無理に引き戻さなくても大丈夫です。
音声と違うページを見ていても、勝手にめくっても、そのままにしておいてください。
いずれ聞いてくれるようになるだろう。
そう考えると、やることはかなり減ります。
同じ本を何回読む?
同じ絵本を、何度も繰り返してください。
新しい本を次々に与えるより、繰り返しの方が0歳には向いています。
同じ音を何度も聞くうちに、音のかたまりが少しずつ聞き取れるようになっていきます。
現役英語講師はむ先生子どもが選べる年齢になったら、選ばせてあげてもよいですね
Liaoリストが130冊を3回ずつ読む設計になっているのも、この繰り返しに根拠があります。
130冊×3回で、ちょうど1年分です。
親御さんが飽きてきたら、順番を入れ替えるくらいで構いません。
噛む・勝手にめくる・途中で行ってしまう
0歳の絵本の時間は、たいてい思ったとおりに進みません。
- 本を噛む
- 音声を待たずに勝手にめくる
- 数ページで飽きて、どこかへ行ってしまう
まず、噛むのも勝手にめくるのも、そのままで大丈夫です。
赤ちゃんにとって絵本は、読むものではなく触るものでもあります。
噛んでいる時間も絵本と親しんでいる時間です。
現役英語講師はむ先生ことばで説得してできるようになるものではありませんよね
そして「途中でどこかへ行ってしまう」については、対応より先にできることがあります。
寝る前の時間にやることです。
我が家の絵本の時間は、寝る前と決めていました。
0歳のうちは朝寝・昼寝・夜と、寝る前の時間が1日に2〜3回あります。
布団の上で、これから寝るという流れの中です。
この時間だと、赤ちゃんはそもそもどこかへ行きません。
落ち着いていて、親のそばにいて、絵本を見るくらいしかすることがない時間だからです。
大学英語講師はむ先生日中の遊びの時間に絵本を開くと、おもちゃとの競争になります。
寝る前なら競争相手がいません。
「行ってしまったらどうするか」を考えるより、行かない時間を選ぶ方が簡単です。
それでも途中で寝てしまったり、絵本に飽きたりしたら、その日はそこで終わりでもよいでしょう。
無理に最後まで読むと、絵本の時間が楽しくないものになってしまいます。
飽きる暇がないくらい、短い本から始めるのも方法の1つです。
最後まで読み切ることは、0歳の目標ではありません。

歌を聞かせるやり方|一緒に歌い踊って、体で意味を渡す

歌は、絵本よりもさらに気軽に取り組めます。
流している間、一緒に体を動かしていれば十分です。
そのうえで、余裕がある日にやると理想的なことがあります。
歌詞の意味を、体で渡すことです。
例えば「up」と歌っているときに、赤ちゃんを上に持ち上げる。
こうすると、赤ちゃんは「up」という音を、訳ではなく感覚として受け取ります。
動作と結びついた言葉は、耳から入るだけの言葉より定着しやすいと考えられています。
大学英語講師はむ先生これはTPRという教授法として知られています
我が家も、この形で歌の時間を過ごしていました。
使っていたのは歌の映像(DVD)で、抱っこしながら一緒に見て、upで持ち上げて遊んでいました。
音源だけでも、映像付きでも、親御さんが一緒に遊んでいれば同じことです。
0歳に長時間の映像は勧めませんが、1日数曲を一緒に見る分には、映像の絵が意味のヒントにもなってくれます。
ただし、全部の歌詞でやろうとしなくて大丈夫です。
できる単語だけ、思いついたときにやれば十分です。
全部やろうとすると、大変ですから。
- 決まった時間に流す(着替え、おむつ替え、お風呂、寝る前)
- 曲数を決める(我が家は1日3曲)
- 同じ曲を繰り返す
- 一緒に踊る
- 余裕があれば、動作をつける
現役英語講師はむ先生歌は「聞かせる」より「一緒に遊ぶ」ものとして位置づけるとよいでしょう。

0歳で本当に育まれるのは、英語力ではありません

最後に、0歳の1年でいちばん価値があったことを書いておきます。
先に、大事なことをはっきり書いておきます。
英語の歌を1日3曲聞かせたからといって、目に見える変化は何も起きません。
英語を話し始めることも、単語を覚えて見せることもありません。
1年続けても、傍から見れば何も変わっていないように見えると思います。
ここを勘違いすると、おうち英語は続きません。
「3か月やったのに反応がない」「効果がないのかも」と判断して、やめてしまうからです。
では、0歳の1年で何が作られているのか。
英語のための時間枠と、親の習慣です。
5分の枠が、少しずつ伸びていく
我が家のその後を書くと、こうなりました。
| 時期 | 英語の時間 | 中身 |
|---|---|---|
| 0歳 | 5分ほど | 歌3曲 |
| 1歳 | 30分ほど | DVD教材(映像を使い始める) |
| 2歳以降 | 徐々に伸ばす | 映像+絵本+のちにオンライン英会話 |
0歳の5分が、1歳で30分になっています。
ここで起きていたのは、英語力が伸びたから時間が増えたということではありません。
生活の中に「英語をする時間」という枠がすでにあったから、そこに入る中身を差し替えられたのです。
枠のないところに、いきなり30分は入りません。
忙しい毎日の中で新しく30分を作るのは、想像以上に難しいことです。
でも、すでに毎日3曲流している家庭なら、その3曲がDVDに変わるだけです。
親御さんにとっての負担は、ほとんど増えません。
現役英語講師はむ先生0歳の5分は、英語力への投資ではなく「場所取り(習慣作り)」だと思ってください。
絶対にできる目標を立てて、それをやめない
だから0歳で決めることは、1つだけです。
絶対にできる目標を立てる。そして、やめない。
大事なのは「絶対にできる」の部分です。
少し頑張らないと届かない量にすると、忙しい日に破れます。
一度破れると、次の日も流してよくなってしまいます。
だから、一番忙しい日でもできる量まで下げてください。
- 忙しい日でもできる量にする
- 余裕がある日は増やしてよい
- でも、ゼロの日を作らない
我が家の場合は、それが1日3曲でした。
時間にすると5分ほどです。
3曲流したら、その日は終わりです。
わが家の3曲が、ご家庭によっては絵本1冊かもしれませんし、お風呂で5曲かもしれません
量ではなく、決め方だけが共通です。
最低ラインを小さくするのは、手抜きではありません。
何年も続けるための設計です。
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無料で受け取る ▷おうち英語は、成果が見えるまでに数年かかる取り組みです。
だから最初の1年で作るべきものは、教材の量ではなく、途切れない仕組み作りなのだと思います。
この形が身についていれば、幼児期に映像を足すときも、小学生でオンライン英会話を始めるときも、同じやり方が使えます。
現役英語講師はむ先生0歳は、英語力を作る時期ではなく、続く形を作る時期です。

0歳の英語読み聞かせのやり方、その根拠について

この記事で書いてきた我が家の実践(ネイティブ音源を使う、かけ流しに頼らない、親が一緒にいる、日本語を土台にする)には、それぞれ根拠にしている研究があります。
ただ、正直にお伝えすると、当時これらの論文を一つずつ確認して決めたわけではありません。
学生時代の授業や研究の中で聞きかじってきたことから得た感覚で「これならいいかな」と決めていました。
今回、改めて調べ直したところ、当時の判断と研究が一致していた、というのが実際のところです。
どの研究から何を考えて、我が家がどう決めたのか。
その過程は別の記事に詳しくまとめました。「本当に意味があるの?」と気になる方は、こちらをどうぞ。
▷ 0歳の英語に意味はある?研究で分かっていること・いないこと
英語絵本の読み聞かせ|よくある質問

- 親の発音が悪いと、悪い発音がうつりませんか?
-
ネイティブ音声を使っていれば、心配は要りません。
赤ちゃんが音の手がかりにするのは、繰り返し耳にする音です。音声ペンやCDでネイティブの音を届けているなら、その音が土台になります。
親御さんの声は、赤ちゃんにとって安心と楽しさを伝えるものです。役割が違うので、発音を気にせず一緒に楽しんでください。
- 英語絵本は1日何冊読めばいいですか?
-
1冊で十分です。
我が家は寝る前の時間(0歳のうちは朝寝・昼寝・夜で1日2〜3回)に、日本語2冊+英語1冊を読んでいました。ただこれは日本語の語彙を増やす目的が中心だったので、英語だけを考えるなら1日1冊でも構いません。
冊数より、毎日開くことの方が大切です。
- 半年続けましたが、何も変化がありません。やり方が間違っていますか?
-
間違っていません。0歳のうちは、目に見える変化は起きないものです。
英語を話し始める、単語を覚えて見せる、といった変化を0歳で期待すると、必ず不安になります。0歳の取り組みが作っているのは英語力ではなく、英語の音に触れた経験と、毎日の時間枠だからです。
変化が見えないことを「効果がない」と読み替えて、ここでやめてしまうのが一番もったいないパターンだと思います。
「今日も3曲流せた」で合格にしてください。
- 赤ちゃんが英語絵本を嫌がります。
-
その本が合わないのか、そのタイミングが合わないのかを分けて考えてみてください。
別の絵本に変える、時間帯を変える、しばらく休む。どれも問題ありません。0歳のうちに読める本は、まだいくらでもあります。
嫌がるものを続けて、絵本そのものが嫌いになってしまう方が、長い目で見て損失が大きいと思います。
- かけ流しだけではだめですか?
-
かけ流しは、英語の音に触れる量を増やすには役立ちます。
ただ、音声を流しておくだけで音の区別が保たれるとは考えにくいことが、研究からも示されています。人と一緒に何かを見ている状態が、音と意味を結ぶ手がかりになります。
かけ流しは補助として使い、1日数分でも一緒に絵本を開く時間や歌う時間を持つことをおすすめします。
- 音声ペンは必要ですか?
-
必須ではありませんが、あると親御さんがかなり楽になります。
赤ちゃんのペースでめくりながら、そのページの音声だけを鳴らせるからです。音声ペン対応の絵本セットを使うなら、1本用意しておくとよいと思います。
- いつまでこのやり方を続けますか?
-
文字に興味を持ち始めるまでは、この形で大丈夫です。
3歳頃から、絵ではなく文字を見ようとする様子が出てきます。そのタイミングで、音声を聞きながら文字を目で追う形(聞き読み)に移っていきます。
0歳のうちは、文字を見せようとしなくて構いません。
まとめ|読み聞かせのコツは「どうやったら楽にできるか」を考えること

英語絵本の読み聞かせでやることを、もう一度まとめます。
- ネイティブ音声を鳴らして、ページをめくる(親が必ずしも読む必要はない)
- 日本語で反応してよい。ただし訳さない
- 同じ本を繰り返す
- 噛んでも、勝手にめくってもそのままでよい
- 絵本は寝る前の時間に乗せる(どこかへ行かないし、時間を新しく作らなくて済む)
- 歌は一緒に体を動かす。余裕があれば動作をつける
- 絶対にできる目標を決めて、ゼロの日を作らない
こうして並べてみると、全部が同じ一つのことを言っています。
どうやったら楽に続けられるかを考えましょう。
これが0歳のおうち英語のコツです。
読まずに済む方法、追いかけずに済む時間、頑張らずに届く目標。
楽をするための工夫に聞こえるかもしれませんが、逆です。
おうち英語は、成果が見えるまでに数年かかります。続いたものだけが積み重なります。
頑張り続ける前提の設計は、頑張れなくなった日に終わってしまいますから無理は禁物です。
楽にできる形は、子どもを観察すると見つかる
では、楽にできる形はどう見つけるのか。
先に、お子さんをよく見ることです。
「絵本を読んでも聞いてくれない」「どこかへ行ってしまう」というご相談をよくいただきます。
お話を聞いていると、多くの場合、順番が逆になっています。
先に「やらせたいこと」があって、それに子どもを合わせようとして、子どもの動きと戦ってしまっているのです。
順番はこうです。
- まず、この子はどう動くのかを知る
- いつ落ち着いて、いつ動き回るのか
- 何に向かっていって
- 何には見向きもしないのか
それが分かってから、その自然な動きの中に、やりたいことをそっと置きます。
我が家の「寝る前に絵本」は、その一例にすぎません。
寝る前の赤ちゃんは、どこにも行かず、親のそばで落ち着いている。
その動きの中に絵本の時間を入れただけです。
赤ちゃんに絵本の時間を守らせたのではなく、赤ちゃんがもともといる場所に絵本を持っていったのです。
お子さんの動きは、息子とは違うはずです。
だからこの記事のやり方をそのまま真似るより、お子さんの1日の中の「落ち着いていて、そばにいる時間」を探してみてください。
そこが、そのご家庭の絵本の置き場所です。
大学英語講師はむ先生我が家ではひよこから鶏を4羽育てているのですが、鶏ですら1羽ずつ個性があって、動きが全然違うんですよ。赤ちゃんが教科書のとおりに動くはずがありませんよね。
子どもと戦わないこと。
それが一番楽で、一番続くように思います。
専門家の私でも、楽にしないと続きません
たとえば、親御さんが英語で語りかけ続けて、インプットを親が担うというやり方を見かけることがあります。
それも一つの方法です。
ただ、続けるには条件がいります。
- 親御さんの英語力
- 続けるための知識
- そして英語教育への強い関心
その条件がそろった家庭の方法を、そのまま真似るのは危険だと思っています。
方法は真似できても、条件は真似できないからです。
では、条件がそろっていれば頑張り続けられるのかというと、そうでもありません。
私は英語を教えて15年になりますし、英語の習得過程を専門に学んできました。
英語教育への関心なら、人一倍あると思います。
それでも、頑張り続ける前提のやり方は、私にはできません。
知識があっても、育児の時間と体力が増えるわけではないからです。
だから私が選んできたのは、いつも一番楽な方法でした。
- 0歳は読まずに音源に任せる
- 絵本は寝る前に乗せるだけ
読む力は、後にオンライン英会話のレッスンに任せました。
家で私が読み方を教えるより、その方がずっと楽だからです。
楽にできる形は、家庭の中だけで探す必要もありません。
おうち英語といえど、外に任せられるものは任せてよいのです。
専門家でも、楽にしないと続かない。
だから皆さんにも、「正しいかどうか」より先に、「楽にできるかどうか」を基準に選んでほしいと思っています。
0歳のおうち英語は、教材の良し悪しで決まりません。
- 一緒に楽しんでくれる人がいる
- そこにネイティブの英語の音がある
この2つがそろっていれば、それで成立します。
そして、0歳の1年で目に見える変化は起きません。それでいいのです。
この1年で作っているのは英語力ではなく、これから何年も使う時間の枠なのです。
最後に、正直なことを書いておきます
このやり方には研究の裏付けがあると書きました。
ただ、研究が示すのはどれも「集団を見たときの全体の傾向」です。
子どもを相手に、条件をそろえて実験をすることはできません。
あの1日3曲が息子にどう働いたのか、本当のところは私にも分かりません。
「意味があるかもしれない」と思って始めて、今も分からないままです。
でも一つだけ、確かに残ったものがあります。
英語の歌を流して、小さな息子と一緒にワイワイ過ごした時間です。
上に持ち上げて笑って、同じ絵本を何十回も開いた、あの1年。
それは私だけの宝物になりました。
だからもし、おうち英語を始めるかどうか迷っている方がいたら、こう考えてみてほしいと思います。
効果が確かめられないなら、外れても手元に何かが残る形を選ぶ。
高い教材を買って、長い時間やらせて、それが期待どおりでなかったとき、失うものは大きいです。
でも一緒に歌って笑った1日5分なら、言語的な効果がゼロだったとしても、思い出は残ります。
0歳のおうち英語は、ご家庭に合ったやり方で楽しく進めていくのが正解ではないでしょうか。

