「聞き読みがいいと聞いたけれど、具体的にどうやるの?」
「読み聞かせと何が違うの?」
「何歳から始めればいいの?」
聞き読みという言葉は広まってきましたが、やり方をきちんと説明した情報は、まだ多くありません。
先に、この記事の結論をお伝えします。
聞き読みとは、ネイティブ音声を聞きながら、文字を目で追う読み方です。
大学英語講師はむ先生英語講師の「はむ先生(村上里実)」です。教歴は15年、大学で非常勤講師を務め、第二言語習得を専門としています。
そして、子どもの「英語を読む力」を伸ばす方法の中で、親の負担がいちばん少ない方法でもあります。
読み方を教える必要はありません。訳してあげる必要もありません。
音声と本を用意して、子どもが目で追う。それだけで、音と文字がつながっていきます。
この記事では、
- 聞き読みと読み聞かせの違い
- 何歳から始めるか(見極めのサイン)
- 具体的なやり方と、やってはいけないこと
- 本の選び方とレベルの上げ方
- 毎日続ける仕組みの作り方
を、息子の実例とあわせてお伝えします。
0歳〜幼児期の「読み聞かせ」(文字を追わない段階)は、こちらにまとめています。
▷ 英語絵本の読み聞かせのやり方は?0歳の赤ちゃんへのコツ
聞き読みとは?読み聞かせとの違い

まず、言葉の整理からです。
似た言葉が多いので、ここを押さえると迷いません。
| 呼び方 | 子どもがすること | 段階 |
|---|---|---|
| 読み聞かせ | 絵を見ながら、音声(や親の声)を聞く | 文字はまだ読まない時期 |
| 聞き読み | 文字を目で追いながら、音声を聞く | 文字に興味が出てきてから |
| 自力読み | 音声なしで、自分で読む | 聞き読みの積み重ねの先 |
違いは一つだけで、目が「絵」を見ているか、「文字」を追っているかです。
読み聞かせで育てた「聞いて分かる力」に、文字が結びついていくのが聞き読みです。
そして聞き読みを積み重ねた先に、音声なしで読める自力読みがあります。
順番に進む階段だと考えてください。飛ばす必要はありませんし、急ぐ必要もありません。
聞き読み効果|その意味とは?

聞き読みの利点は、3つあります。
1. 音と文字が、正しい発音でつながる
日本語の感覚で英語の文字を読むと、ローマ字読みのクセが付きます。ネイティブ音声と一緒に文字を追えば、最初から正しい音で文字が入ります。
2. 自分のレベルより少し上の本が読める
音声が読む速さとリズムを支えてくれるので、一人では読めない本でも最後までたどり着けます。「読めた!」という経験を、実力より少し先で積めるのです。
3. 親が読み方を教えなくていい
ここが、おうち英語として一番大きい点です。フォニックスを親が教える、隣で音読を聞いて間違いを直す——これを毎日やるのは、正直、重すぎます。聞き読みなら、教える役は音声が担ってくれます。
現役英語講師はむ先生読み聞かせと同じです。
親の担当は、教えることではなく、環境を整えることです。
聞き読みは何歳から?見極めのサイン

年齢で区切るより、サインで見極めることをおすすめします。
目安になるサインは、この2つです。
- 文字に興味を持ち始めた(絵ではなく文字を指さす、「これなんて読むの?」と聞いてくる)
- 聞いて分かる英語がある程度たまっている(簡単な英語の音声やアニメを、楽しんで見聞きできる)
多くのお子さんで、早くて3〜4歳頃、小学生になってからでも全く遅くありません。
大切なのは、聞いて分かる力が先、文字は後という順番です。
聞いても分からない英語は、文字を追っても分かりません。
聞き読みは「聞けば分かる言葉」に文字を対応させていく作業なので、耳の土台がない状態で始めると、ただ記号を眺める時間になってしまいます。
大学英語講師はむ先生文字を早く教えたくなりますが、順番は「音が先」です。焦らなくて大丈夫です。
まだ耳の土台ができていない場合は、読み聞かせ・かけ流し・アニメなどのインプットを先に積んでください。
▷ 年齢別のインプットの進め方は、こちらにまとめています(年齢別おうち英語の始め方)
「読む指導」はレッスンに任せる方法もあります

文字と音の対応(フォニックス的な内容)を体系的に教わりたい場合、家庭で教え込む必要はありません。
我が家の場合、読み方の指導はオンライン英会話のレッスンに任せていました。
▷ オンライン英会話Novakidでの5年間の変化の記録(動画あり)
息子はレッスンで文字と音の対応を習い、家では聞き読みで「量」を積む、という役割分担です。
- レッスン=読み方を習う場所
- 家の聞き読み=習ったことを量でなじませる場所
家で教える手間をなくして、家は楽しく量を積むだけの場所にする。
この分担は、親にとっても子どもにとっても続けやすい形だと思います。
聞き読みの具体的なやり方

ここからは、実際の手順です。
用意するもの
- ネイティブ音声付きの本(音声ペン対応セット、CD付き、アプリなど)
- 再生する手段
これだけです。
音声はネイティブのものを使ってください。
理由は読み聞かせと同じで、文字に結びつける音の質が、そのまま読みの土台になるからです。
基本の流れ
- 音声を再生する
- 子どもは、文字を目で追いながら聞く
- 1冊終わったら、おしまい
本当にこれだけです。読ませない、訳させない、テストしない。
聞きながら目で追う、それ自体が学習です。
やってはいけないこと
聞き読みは、やることよりも「やらないこと」の方が大事です。
1. 音声の速度を落とさない
ゆっくり再生にしたくなりますが、おすすめしません。英語のリズムと音のつながりは、自然な速さの中にあります。速くて追えないなら、速度ではなく本のレベルを下げてください。
2. 訳さない
「This is a pen は、これはペンです、だよ」この確認を挟むと、英語→日本語→意味という回り道の回路を作ってしまいます。意味は絵と文脈から取れる本を選べば、訳は要りません。
3. 分からない単語で止まらない
1語ずつ確認しない。分からない語が多少あっても、話の流れが分かればそれで進みます。止まって調べる読み方は、読む楽しさを削ります。
4. 読めているかテストしない
「今の、なんて書いてあった?」と確認したくなりますが、我慢してください。テストされると分かった瞬間、聞き読みは楽しい時間から評価される時間に変わります。
5. 指で追うことを強制しない
指で文字をなぞるのは、やりたがるならやらせて構いませんが、義務にしないでください。目で追えていれば十分です。
現役英語講師はむ先生まとめると「口出ししない」です。隣で見守るだけで大丈夫です。
本のレベルの選び方

聞き読みの本選びの基準は、一つです。
絵を見れば、話が分かる本。
文字が読めるかどうかではなく、絵と音声で内容が取れるかどうかで選びます。
具体的には、
- 1ページ1〜2文の短いもの
- 同じ文型が繰り返されるもの
- 絵が内容をそのまま表しているもの
から始めて、すらすら聞き読みできるようになったら、少しずつ文の長いものへ進みます。
「簡単すぎるかな?」と思うくらいが、ちょうどいいスタートです。
難しい本で止まるより、簡単な本をたくさん読む方が、力は付きます。
これは始めるときだけの話ではありません。
進んでいる途中で停滞したときも、答えは同じです。レベルを下げて、薄い本にする。
我が家も実際にそうやって立て直しました(後述します)。
最初の1冊を探している方には、First Little Readers のような「1冊8ページ・1ページ1文・同じ文型の繰り返し」の薄い本のシリーズが向いています。
レベル別に揃っているので、停滞したときに下げる先も用意できます。
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我が家の聞き読みの記録|4歳スタート

参考までに、我が家の聞き読みの流れです。
順調に進んだわけではなく、停滞と立て直しを繰り返しています。
前提|読み方は、先にレッスンで身に付いていました
息子は4歳からオンライン英会話(Novakid)を続けていて、文字と音の対応はレッスンの中で習得しました。年長の時点で、やさしい英文なら読める状態です。
つまり我が家の聞き読みは、ゼロから読み方を身に付ける手段ではなく、レッスンで読めるようになった力に「量」を足す手段として始まっています。ここは順番として大事な点です。
年長〜|Oxford Reading Tree(ORT)で量を積み始めた

聞き読みのスタートは、年長のときのORTでした。
イギリスの小学校で使われる多読教材で、少しずつ文が長くなっていく設計です。
私はCDをかける手間が毎日続くと継続を妨げると判断して、タッチペンで音声再生できるORTセットをメルカリで購入しました。
子どもが自分でタッチして聞けるので、親の手がほとんど要りません。年長の1年でStage1から5の途中まで進みました。
その後、英語アニメとして楽しんでいたPete the Cat(猫のピート)のレベル別リーダーズも購入し、聞き読みをしました。
小1|停滞。レベルを下げて立て直した

ところが小学生になり、Stage7の途中で停滞しました。
動画が好きな息子にとって、読書の継続はなかなかハードルが高いのです。
このとき私がやったのは、先へ進ませることではなく、レベルを下げて薄い本に替えることでした。
使ったのはFirst Little Readers(G&Hレベル)です。
1冊が薄く、あっという間に終わる。それでいて、知らない表現や語彙は出てくる。
「簡単に読めるのに新しいことがある」という、立て直しに理想的なレベル感でした。
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現役英語講師はむ先生停滞したときの合言葉は「難しくしない、薄くする」です。読めない本で止まっているより、読める本を積む方が、力も自信も付きます。
小2〜|聞き読みが読みの中心に

小2の読みは、少し難しめのレベルの絵本を聞き読みすることが中心でした。
夏休みにはRaz-Kidsの短いチャプターブックで、
- 音声を2〜3回聞く(数日に分けて)
- そのあとで音読する
- クイズに答える
という流れを試したところ、ただ速く読みがちだった音読が、適切なスピードで分かりやすく読めるようになりました。
聞き読みで音の型が入ってから音読する、という順番の効果を実感した取り組みです。
小3~|自力読みのスタート

小3になり、試行錯誤しながらも、音声なしで自分で読むようになりました。
聞き読みで音と文字のつながりを積んできた先に、自力読みが立ち上がった形です。
▷ ここに至るまでの紆余曲折(読んだり読まなかったりの波)は、こちらに書いています
面白いのは、手に取る本が2種類あることです。
一つは、以前聞き読みしていた易しい絵本です。Elephant and PiggieやPigeonのシリーズを、自分で開いて読んでいます。聞き読みで何度も聞いた本は、音もお話も体に入っているので、自力で読んでも「読めた!」になる。過去に聞き読みした本が、そのまま自力読みの本棚になっていました。
もう一つは、自分で選んだ娯楽の本です。メインで読んでいるのは13-Story Treehouse(邦題:ツリーハウスシリーズ)で、Dog Manも好んで読んでいます。どちらもイラストが多く、笑える展開の連続で、子どもが「勉強」ではなく「遊び」として手に取るタイプの本です。
易しい本で「読める」を確かめ、面白い本で「読みたい」が動く。
この2つが並んで、読書が回り始めたように見えます。

読んだ本の記録には、当サイトの無料の多読アプリを使っています▽
聞き読みした本の記録は、そのまま「次に自力で読める本のリスト」になります。
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読んだ本が本だなに並び、語数がたまっていく多読記録アプリです。ORTなど定番273冊は自動入力OK。100万語への道を、親子で楽しく見える化。登録不要・スマホのホーム画面に追加して使えます。
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現役英語講師はむ先生まっすぐ進んだ記録ではありません。停滞→レベルを下げる→また進む、の繰り返しです。
聞き読みを毎日続ける仕組みを作ろう

やり方が分かったら、あとは続ける仕組みです。
考え方は、読み聞かせのときと同じです。
楽に達成できる目標を立てて、やめない
1日1冊。難しければ、1日1回再生ボタンを押す、でも構いません。
一番忙しい日でもできる量を合格ラインにして、ゼロの日を作らない。
余裕がある日は何冊読んでもいい。この形が、何年も続けるための設計です。
生活の決まった場所に置く
新しく「聞き読みの時間」を作ろうとすると、忙しい日に消えます。
すでにある習慣の隣に置いてください。
- 学校から帰っておやつの後に1冊
- お風呂の前に1冊
- 寝る前の読書時間の最初に1冊
お子さんの1日の中で「座っていて、手が空いている時間」を探して、そこに置くのがコツです。
子どもが飽きたら、その日は終わり
途中でやめても、同じ本ばかり選んでも、大丈夫です。
多読の世界には「辞書は引かない・分からないところは飛ばす・合わないと思ったら投げる」という三原則があります。聞き読みも同じです。
楽しくない読書は、続きません。
続かなければ、積み上がりません。
読み終えることより、明日も読みたいと思えることの方が、ずっと大事です。
現役英語講師はむ先生「今日は1冊読めた」で合格。読み聞かせの頃と、何も変わりません。
聞き読み|よくある質問

- 聞き読みだけで、自力読みできるようになりますか?
-
聞き読みの量が十分にたまると、やさしい本から音声なしで読めるようになっていきます。
ただし、文字と音の対応(フォニックス的な知識)を体系的に習う機会があると、移行はスムーズです。我が家はそこをオンライン英会話のレッスンに任せ、家では聞き読みで量を積む分担にしていました。
- 日本語の意味を確認しなくて、本当に大丈夫ですか?
-
大丈夫です。絵で内容が分かる本を選んでいれば、意味は絵と文脈から入ります。
むしろ、訳を挟む習慣が付くと、英語を英語のまま処理する回路が育ちにくくなります。「訳さないと不安」なのは親の側で、子どもは絵と音で分かっていることが多いものです。
- 子どもが文字を見ていない気がします。
-
絵ばかり見ている時期があっても、問題ありません。
絵で内容を取る力は、読解の土台です。音声を聞きながらページをめくっているなら、耳からのインプットとしては機能しています。文字への注目は、興味が出れば自然に増えていきます。強制すると、本自体が嫌いになる方が損失です。
- 続けていたのに、急に読まなくなりました。
-
進みが止まるのは、よくあることです。我が家もORTのStage7で停滞しました。
対処は、頑張らせることではなくレベルを下げることです。薄くてすぐ終わる本に替えると、「読めた!」がまた積み上がり始めます。停滞は失敗ではなく、本のレベルと今の力が合っていないサインだと考えてください。
- 1日何冊読めばいいですか?
-
最低ラインは1冊で十分です。短い本なら数分で終わります。
聞き読みができない日があっても、アニメや音声など他の形で英語に触れていれば大丈夫です。英語そのものにゼロの日を作らないことを優先してください。読みたがる日は、何冊でもどうぞ。
- 音声ペンとCD、どちらがいいですか?
-
続けやすさで選んでください。
我が家は、CDをセットする手間が毎日続くと負担になると考えて、タッチペン対応のセットを選びました。子どもが自分で操作できるようになるのも、ペンの利点です。一方、かけ流しに近い形で1冊通して聞くならCDやアプリの方が向きます。
- 何歳まで聞き読みを続けますか?
-
期限はありません。
自力読みができるようになっても、自分のレベルより上の本は聞き読みで楽しめます。大人の英語学習でも使われる方法なので、「卒業」を目指すものではなく、読む力に合わせて使い分けていくものだと考えてください。
まとめ|聞き読みも「楽にできるか」で設計する

聞き読みのやり方を、もう一度まとめます。
- 聞き読みは、ネイティブ音声を聞きながら文字を目で追う読み方
- 始めるサインは、文字への興味と聞いて分かる英語の蓄積
- 親がやることは、本と音声の用意だけ。読ませない・訳さない・テストしない・止めない
- 本は「絵で話が分かる」レベルから。簡単すぎるくらいでいい
- 楽に達成できる目標(1日1冊)を、生活の決まった場所に置く
- 飽きたらその日は終わり。明日も読みたいが一番大事
読み聞かせの記事で、「どうやったら楽にできるかを考えることがコツです」と書きました。
聞き読みも、まったく同じです。
読み方を教える重い作業は音声とレッスンに任せて、家は「毎日1冊、楽しく聞きながら読む場所」にする。親が頑張らない形にしておくことが、何年も続く一番の理由になります。
現役英語講師はむ先生教えるのは音声の仕事。親の仕事は、続く形を作ることです。
読む力は、読んだ量に比例して育ちます。そして量は、続いた日数からしか生まれません。
今日の1冊から、始めてみてください。
ご家庭に合った進め方を一緒に考えることもできます。
🐹 はむ先生のおうち英語相談室(Noteメンバーシップ)
「うちの子の場合はどうすれば?」に、SLA研究×8年の実体験からお答えする質問箱です(匿名OK)。多読アプリへの本の追加リクエストも受付中。
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